胃がん――それは日本人にとって今なお身近な病のひとつ。近年、ピロリ菌の除菌や食習慣の改善により罹患率は減少傾向にありますが、それでもなお油断は禁物。とくに40代以降、日々の積み重ねが未来の健康を大きく左右します。
この記事では、内科・消化器・肝臓専門医であるパパとその家族が異世界「胃腸王国」で繰り広げる冒険を通じて、胃がんを予防するための習慣を7つに分けてご紹介します。日常生活にすぐ取り入れられることばかりなので、子育て世代〜中高年の方にとっても実用的。癒し系の赤ちゃん・ゆうの活躍(?)にも注目です!
【登場キャラクター紹介】
- パパ:46歳。内科・消化器・肝臓内科専門医。FXチャートが大好きで、いつも寝不足。
- ママ:37歳。理学療法士。育児とテニスが趣味。表情豊かで、パパとはテニスで出会い結婚。
- ミサ:9歳。小学4年生。冷静な突っ込み系女子。ピアノとスイーツが好き。
- いっしー:6歳。小学1年生。ボールと一緒に寝る元気少年。ミサとよくケンカする。
- ゆう:0歳。FX急落時によく泣く謎の才能を持つ赤ちゃん。癒し系。
- パンダ:家猫。パパとは相性が悪いが、調子が良いときは甘えてくる。ドル円上昇のバロメーター?
第1章:ピロリ菌との戦い 〜見えざる敵を討て!〜
胃腸王国の森の奥深く、黒い霧が渦巻いていた。
いっしー:「うわあ、なんかここ、空気が重いよ!」
ミサ:「このあたり一帯、ピロリ菌の呪いがかかってるのかもね。」
パパ:「うむ、ピロリ菌(Helicobacter pylori)は胃の粘膜に住みつき、慢性的な炎症を引き起こす。放っておくと胃潰瘍や胃がんの原因にもなるんだ。」
ママ:「実際、日本人の胃がんの7〜8割はこの菌が関係してるって言われてるのよね。」
ミサ:「それ、ほとんどじゃん…!」
パパ:「でも大丈夫。除菌治療を受ければ、胃がんのリスクを約3分の1にまで減らせるという研究結果もある。」
【参考:Malfertheiner P et al. Gut. 2017】【https://gut.bmj.com/content/66/1/6】
ゆう:「ふぎゃあっ(除菌せよ〜〜!)」
ママ:「ゆう、ナイスタイミング!」
パパ:「40歳を超えたら、一度はピロリ菌の有無を検査しておくといい。内視鏡検査や尿素呼気試験などがあるよ。」
◆ まとめ:ピロリ菌対策のポイント
- 胃がんの最大のリスク因子はピロリ菌感染!
- 40歳を超えたら、一度は検査を受けよう
- 感染があれば、除菌治療でリスク大幅減(保険適用あり)
- 家族内感染もあり得るので、子どもや配偶者の検査も視野に
第2章:減塩の魔法 〜しょっぱすぎる沼からの脱出〜
ミサ:「あっ!いっしーが塩の湖に落ちた!」
いっしー:「しょっぱ〜い!!のど乾いた〜〜」
パパ:「これは“塩分過剰沼”。高塩分の食事は、胃の粘膜を荒らして炎症を起こし、ピロリ菌と相まって胃がんリスクを高めるんだ。」
ママ:「特に漬物や味噌汁など、日本食に潜む塩分には注意が必要よね。」
パパ:「WHOでは1日5g未満の塩分が推奨されているけど、日本人の平均は10g前後と約2倍!」
ゆう:「ふぎゃあ(しお、ほどほど〜)」
ミサ:「なるほど。お出汁とか、レモンの酸味を使えば、塩分控えても美味しくできそうね。」
◆ まとめ:減塩習慣で胃の健康を守ろう
- 塩分過剰は胃粘膜を傷つけ、胃がんの土壌を作る!
- 1日あたりの塩分は5g以下を目標に
- 漬物・味噌汁・加工食品は要注意!
- 減塩調味料や出汁、酢、香辛料で工夫を
【参考:Tsugane S et al. Gastric Cancer. 2007】【https://link.springer.com/article/10.1007/s10120-007-0430-2】
第3章:加工肉と赤肉の呪い
パンダ:「クンクン…このあたり、なんか焦げたソーセージのにおいがするニャ」
パパ:「これは“肉の迷い道”。ハムやベーコンなどの加工肉、そして赤肉(牛・豚)を多く摂取すると、胃がんリスクが高まると報告されている。」
ママ:「焦げ目に含まれるヘテロサイクリックアミンという発がん物質も問題よね。」
ミサ:「じゃあ、魚とか大豆を増やして、肉はたまの楽しみにすればいいってことね!」
ゆう:「ふにゃあ〜(ぎゅうにく、おいしいけどね〜)」
◆ まとめ:肉とのつきあい方
- 加工肉・赤肉の過剰摂取は胃がんリスクを上げる!
- 魚・豆・鶏肉・野菜などとバランス良く
- 焦げを避け、蒸し料理や煮物中心の調理法を
【参考:World Cancer Research Fund/AICR. Continuous Update Project】
第4章:喫煙と胃 〜煙の魔法は毒だった!〜
いっしー:「なんかこの森、モクモクしてて目がしみる〜〜」
パパ:「これは“喫煙の森”。喫煙は胃の血流を悪くし、胃酸分泌を増やし、粘膜を傷つけてがんの原因になる。」
ミサ:「パパの病院でも、胃がんの患者さんに喫煙歴ある人、多いんでしょ?」
パパ:「うん。喫煙者は非喫煙者に比べて胃がんリスクが約2倍ってデータもある。」
ママ:「禁煙のきっかけになってくれたらうれしいわね。」
◆ まとめ:タバコは百害あって一利なし
- 喫煙者は胃がんリスクが高い!
- 禁煙で、胃だけでなく肺や心臓も守れる
- 家族の副流煙も避けよう
【参考:IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans】
第5章:飲酒と胃がん 〜酒の川を渡るとき〜
ミサ:「あの川、透明だけど…酔っぱらいの妖精がいっぱい飛んでる!」
パパ:「ここは“酒精の川”。飲酒は食道がんのリスクだけでなく、胃がんとも関係がある。特にヘビードリンカーは注意が必要だ」
ママ:「日本人はアルコール分解酵素が弱い人が多いから、少量でも要注意ね。」
いっしー:「パパ、お酒控えてる?」
パパ:「最近は週2〜3日、休肝日をとってるよ。脂肪肝にもいいしね。」
ゆう:「あーうー(パパ、のまないで〜)」
◆ まとめ:飲酒と胃がんの関係
- 大量飲酒は胃がんリスクを上げる(特に男性)
- アルコールに弱い体質の人はより注意を
- 飲む量・頻度を見直し、週に休肝日をもうけよう
【参考:Secretan B et al. Lancet Oncol. 2009】【https://doi.org/10.1016/S1470-2045(09)70096-0】
第6章:野菜と果物の防御力
ミサ:「あれは…“緑の盾の騎士”!?めっちゃ強そう!」
パパ:「彼は“ファイトケミカル将軍”。野菜や果物に含まれる抗酸化成分が、胃の粘膜を守ってくれるんだ。」
ママ:「特にビタミンCやβカロテンは、ピロリ菌が出す毒素を中和するって言われてるわ。」
いっしー:「ぼく、トマトジュース飲めるよ!」
ゆう:「んまんま〜(にんじんすき〜)」
◆ まとめ:野菜と果物を毎日の味方に
- 野菜・果物は胃がん予防に有効(特に緑黄色野菜)
- 加工せず、生や蒸しで栄養を最大に
- 1日350g以上を目標に、彩り豊かに
【参考:Gonzalez CA et al. Br J Cancer. 2006】【https://www.nature.com/articles/6603234】
第7章:早期発見という名の光
パパ:「…これが“診断の光の塔”。最後の砦だ。」
ミサ:「やっぱり、定期検診って大事なんだね。」
パパ:「うん。胃がんは早期発見すれば、5年生存率は90%以上。でも進行して見つかると、治療も大変になる。」
ママ:「だからこそ、40歳を過ぎたら2年に1度は胃カメラかバリウム検査を受けてほしいの。」
いっしー:「パパ、ぼくも大きくなったら検診うけるよ!」
ゆう:「ふぎゃー(けんしん、だいじー!)」
◆ まとめ:胃がんは“予防”と“早期発見”がカギ!
- 定期的な検診で早期発見が可能に!
- 40歳以上は2年に1回の検査を
- 胃カメラ・バリウム検査を活用しよう
【参考:日本胃がん学会 胃がん検診ガイドライン】
おわりに
胃腸王国の冒険を終えた家族。
パパ:「胃がんは“なってから”より、“ならないため”の行動が大事なんだ。」
ママ:「家族みんなで取り組めば、怖い病気も予防できるのよね。」
ゆう:「ふにゃっ(みんな、げんきでいてね〜)」
今日から始められることが、10年後のあなたの健康を守る魔法になります。
さあ、あなたも明日から“胃がん予防の冒険”を始めてみませんか?
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