「毎日つらい…」「つわりがつらい…気持ち悪い、助けて」の声に応える!妊婦さんの本音と対応策

「うっ…また匂いがだめ…」
朝の台所で立ち尽くすママの背中を、パパは静かに見守っていました。実は、我が家ではいま――4人目の赤ちゃんを迎える準備が始まっています。けれどその喜びの一方で、ママは**つわりによる強い吐き気や倦怠感、眠気、そして“ごはんの匂いで気持ち悪くなる日々”**に苦しんでいます。

3人目の時もつらかったけれど、今回はさらにきつい様子。「仕事も家事も手がつかない…」「水すら飲みたくない…」というママの本音に、パパ(筆者)は内科・消化器・肝臓専門医として、家族として、どう応えられるかを考えました。

本記事では、NEJM・JAMA・BMJなどの信頼性の高い医学論文をもとに、「つわり」の正しい知識と対策を解説。さらに、わが家の異世界家族キャラ(ミサ・いっしー・ゆう・パンダ)とのやりとりも交え、子育て世代〜中高年でもわかりやすく、実践しやすいアドバイスをお届けします。

ママの「助けて」に、家族がどう寄り添うか――このブログが、つらい日々に少しでも“光”を届けることができますように。


目次

キャラクター紹介(異世界ファミリー)

  • パパ(46歳):内科・消化器・肝臓専門医。脂肪肝あり。FXとマイクラ好き。
  • ママ(37歳):理学療法士。表情と行動で語るテニス好き。
  • ミサ(9歳):ピアノとスイーツが好きな冷静女子。突っ込み担当。
  • いっしー(6歳):運動神経バツグンの元気っ子。よくミサとケンカ。
  • ゆう(0歳):FX急落時に泣く天才。家族の癒し系ベビー。
  • パンダ(猫):ツンデレ。ドル円と連動して甘える習性あり。

つわりの症状とその原因

つわりとは

つわりは、妊娠初期に多くの女性が経験する吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状を指します。主な原因は、妊娠によるホルモンバランスの変化とされています。特に、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やエストロゲンの増加が関与していると考えられています。

ミサ:「ママ、今日も気持ち悪そうだけど大丈夫?」
ママ:「うん…赤ちゃんが育ってる証なのよ。でもちょっとムカムカするね」
パパ:「それは“つわり”っていうんだ。妊娠初期に多くの女性が感じる症状で、吐き気や食欲不振がよくあるんだよ」
いっしー:「どうしてなるの?」
パパ:「妊娠すると“hCG”とか“エストロゲン”っていうホルモンが増えて、それが体に影響するんだ。だからつらいけど、大事な変化でもあるんだよ」
ミサ:「そっか…じゃあ私も、ママのお手伝いする!」

つわりの症状

  • 吐き気・嘔吐:特に朝方に強く感じることが多く、空腹時や匂いに敏感になったときに悪化しやすい。
  • 食欲不振:特定の食べ物や匂いに強く反応し、食べたいものが見つからない、食べてもすぐ気持ち悪くなることがある。
  • 口の中の不快感:金属のような味や苦味、口の中のねばつきなどがあり、何を食べてもおいしく感じないことも。
  • 疲労感・眠気:体がだるく、日中は強い眠気がある一方で、しっかり休んでも疲れが取れない。
  • 不眠:ホルモンの影響や吐き気、頻尿、精神的な不安などから、夜中に何度も目が覚めたり、寝つきが悪くなったりする。

いっしー:「ママ、また朝からうずくまってるの?」
ママ:「うん…朝になると特に吐き気がひどくて、ごはんの匂いもつらいの」
パパ:「つわりの時は、特定の匂いや食べ物に敏感になるんだ。口の中も苦い感じがしたり、金属みたいな味がすることもあるよ」
ミサ:「えっ、そんな味するの? つらそう…」
ママ:「それにね、すごく眠いのに眠れない夜もあるのよ。体がだるくて1日中横になりたい感じ…」
いっしー:「じゃあ今日のおやつは僕が作るね!」
ママ:「ふふ、ありがとう。でも甘いのは今ちょっと無理かも…」

つわりの重さと2人目・性別との関係

つわりと赤ちゃんの性別の関係は?

一部では、つわりの重さと赤ちゃんの性別に関連があるとされていますが、科学的な根拠は明確ではありません。つわりの症状は個人差が大きく、性別による違いは一概には言えません。

2020年以降に発表された主要な医学誌において、つわりの重症度と胎児の性別との直接的な関連性を示す研究はありません

いっしー:「ママ、つわりがひどいと女の子が生まれるって本当?」
ミサ:「そう聞いたことあるけど、どうなんだろ」
パパ:「実はね、昔の研究では“女の子のときはつわりが重い”っていうデータもあったんだ。でも2020年以降の新しい医学論文では、明確な根拠は見つかってないんだよ」
ママ:「ってことは、あんまり関係ないの?」
パパ:「うん。つわりのつらさは人それぞれ。赤ちゃんの性別より、ホルモンや体質の影響のほうが大きいってわかってきてるんだ」
ミサ:「じゃあ私は“つわり=性別”で予想しないでおくね」
パパ:「そのほうが正解(笑)科学的にもね」

2人目のつわりがきつい?

妊娠回数を重ねるごとにHGの症状が悪化するという明確なエビデンスは見つかっておりません。

しかしながら、2人目の方がつわりがきつく感じる妊婦さんも少なくありません。

その理由は、

  • 上の子の世話などで休息が取れない
  • つわりを記憶していない(1人目と比べることで「こんなにつらかった?」となる)

という心理的要素が大きいとされています。

ミサ:「ママ、なんか今回のつわり、いつもより大変そうじゃない?」
ママ:「そうなの…4人目だけど、いちばんきつく感じるかも」
パパ:「2人目以降は、上の子の世話で休めないから余計にしんどいんだよね」
ママ:「それにね、前のつわりのことって案外忘れちゃうの。“こんなにつらかった?”って毎回思うのよ」
ミサ:「たしかに…いっしーのときも、顔色やばかった」
パパ:「いや、ゆうのときの方がもっと大変だったような…」
ママ:「毎回違うし、毎回つらいのよ~」



つわりの時期とピーク

  • 開始時期:妊娠5〜6週目頃から始まることが多い。
  • ピーク:妊娠9〜10週目頃が最も症状が強くなる。
  • 終了時期:妊娠12〜16週目頃に症状が落ち着くことが多い。

いっしー:「ママ、つわりっていつまで続くの?」
パパ:「普通は妊娠5〜6週くらいから始まって、9〜10週で一番つらくなることが多いんだ。その後、12〜16週くらいで少し楽になる人が多いよ」
ミサ:「なんでだんだん変わってくるの?」
パパ:「それはね、体が赤ちゃんの存在に慣れてきたり、ホルモンのバランスが変わってくるからなんだ。最初はhCGっていうホルモンが急に増えるけど、後半は落ち着いてくるんだよ」
ママ:「私は今回はゆうのときより少し長引いてる感じ。人によって全然違うのよね…」
ミサ:「じゃあ、ママに合わせて家族みんなでサポートだね!」


妊娠中の「だるさ・眠気」の原因とは?|ホルモン・代謝の影響

プロゲステロンの影響で眠くなる

妊娠初期になると、黄体ホルモン(プロゲステロン)が急激に増加します。このホルモンは妊娠の維持に必要不可欠ですが、同時に体温の上昇や強い眠気、だるさ(倦怠感)を引き起こす原因にもなります。

ママ「最近、昼間もすぐ眠くなっちゃって…ごはんの支度もやっとなの」

パパ(医師)「プロゲステロンの影響だね。妊娠中は体が休むようにホルモンが働いてるんだよ。無理せず休もう」

ミサ「ママが眠いときは、私がいっしーの宿題見るよ」

いっしー「えーっ!でもミサ、すぐ怒るじゃん!」

ゆう「ふぎゃ〜(みんな、やさしい…)」

こうして、妊婦さんの“なんとなくだるい・眠い”は身体からの大切なサインであると理解し、家族全体で支えることが大切なのです。

鉄分・ビタミン不足がだるさの原因に

妊娠初期に感じる強いだるさや疲れやすさの背景には、鉄分やビタミンB群の不足が関係していることがあります。特に鉄が不足すると、体に酸素を運ぶヘモグロビンが減少し、軽度の貧血となって倦怠感や息切れ、立ちくらみなどを引き起こすことも。

ママ「最近、ちょっと歩くだけでもクラクラして…疲れやすくなった気がするの」

パパ(医師)「鉄不足やビタミンB群の欠乏が原因かもね。レバーや小松菜、納豆、卵なんかがいいよ」

ミサ「じゃあ今日の夕飯は“鉄分強化オムレツ”にしよっか!」

いっしー「納豆はボク担当でいい?混ぜるのうまいよ!」

栄養バランスを意識した食事は、ママの体を支えるだけでなく、家族の連携も深めてくれます。

出典:BMJ  https://bmjopen.bmj.com/content/8/4/e019240


具体的に何をすればラクになる?|つわり・倦怠感・眠気 対策7選

1. 朝食は抜かず、少量ずつでも食べる【Nature, 2024】

妊娠中、とくに朝食を抜いてしまうと低血糖やだるさ、集中力の低下などにつながりやすくなることが、最新のNature誌の研究(https://www.nature.com/articles/s41598-024-73467-9)でも示されています。

  • 朝食欠食と健康リスク:朝食を抜くことが、低血糖、倦怠感、集中力の低下などの不調と関連している可能性が示唆されています。
  • 胎児への影響: 朝食欠食が胎児のエネルギー供給やホルモンバランスに悪影響を及ぼし、低出生体重や早産のリスクを高める可能性があると報告されています。
  • 栄養素の不足: 朝食を抜くことで、オメガ3脂肪酸やβカロテンなどの重要な栄養素の摂取が減少し、胎児の脳や肺の発達に影響を与える可能性があります。  

そんなある朝——

ママ「朝から気持ち悪くて…今日は何も食べたくないかも」

パパ(医師)「無理にじゃなくていい。でもクラッカー1枚や豆腐ひとさじでも口にすると、血糖が安定して午後が少しラクになるよ」

いっしー「ボクのバナナ、半分あげる!ママの元気が出ますようにってバナナ神社でお願いしたから!」

ミサ「では本日は“豆腐のフルーツのせ”をご用意しましたわ。ビタミンもバッチリです♪」

つわりがあるときは、“バランスより継続”が大切。食べられるものを、少しずつでも口にすることで、午後の体力や気分の安定にもつながります

朝のひと口が、ママの一日を変える。
そんな思いやりの朝食、家族の力で乗り越えていきましょう。

つわりと食べ物の関係

食べられないものランキング

妊娠中の食べ物に対する嫌悪感(フードアバージョン)は多くの妊婦さんが経験する現象であり、特に肉類、揚げ物、乳製品などがその対象となることが報告されています。妊娠中の特定の食品に対する嫌悪感が、胎児を有害物質や病原体から守るための生理的な適応反応である可能性を支持しています。特に、妊娠初期における肉類や強い味の食品、アルコール、カフェインなどに対する嫌悪感は、胎児の発達段階における脆弱性と一致しており、進化的な観点からも合理的であると考えられます

  1. 肉類:匂いや脂っこさが原因で受け付けないことが多い。
  2. 揚げ物:油の匂いが気になる。
  3. 乳製品:特に牛乳やチーズの匂いが苦手になることがある。

主要な医学雑誌には掲載されていませんが、関連する分野の査読付き学術誌に掲載されています。

「妊娠中の食物嫌悪と栄養状態の関連性」SAGE Open Medicine(英国)

おすすめの食べ物

  • おかゆやうどん:つわり時には、消化の良い食べ物として「プレーンなゆでた米やパスタ」が推奨されています。
  • フルーツ:フルーツ(オレンジ、リンゴ、ブドウ、メロン)や缶詰のフルーツが水分補給と栄養補給に役立つとされています。
  • ゼリーやプリン:ゼリーやアイスクリーム、プリンなどの冷たくて喉越しの良い食品が推奨されています。

参考文献:厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3a.html「Managing morning sickness」https://www.health.qld.gov.au/__data/assets/pdf_file/0032/151979/antenatal-mrnsick.pdf?utm_source=chatgpt.com

Severe Nausea and Vomiting in Pregnancyhttps://irelandsouthwid.cumh.hse.ie/file-library/patient-information-documents/nausea-and-or-vomiting-in-pregnancy.pdf?utm_source=chatgpt.com

妊婦のつわり・倦怠感・嘔気を改善し、胎児も守る!栄養でできる実践ケア

1. 鉄不足は「だるさ」だけでなく胎児の発育にも影響

妊娠中は、胎児の成長と母体の血液量の増加に伴い、鉄分の需要が急激に高まります。この鉄分が不足すると、妊婦さんの体に十分な酸素が運ばれなくなり、貧血(鉄欠乏性貧血)による倦怠感・息切れ・頭痛・めまいといった症状が現れることも。さらに、胎児に酸素が届きにくくなることで、低出生体重児や早産のリスクが上昇すると報告されています。

そんなある日——

ママ「最近なんだか、ちょっと動くだけで息切れするのよね…鉄が足りてないのかも」

パパ(医師)「それ、妊婦の鉄欠乏のサインかもしれないね。鉄は赤ちゃんにも酸素を届けるのに欠かせないから、意識して摂ろう」

ミサ「ふむふむ…じゃあ今夜のメニューは、“鉄分チャージ定食”にしようか!」

いっしー「ボク、ひじき担当する!ママのためにおいしく煮るよ!」

パパ「小松菜と赤身肉の炒め物もいいな。ピーマンと一緒に炒めると、ビタミンCで吸収率もアップするよ」

ミサ「キウイも添えておけば完璧だね。ビタミンコンボ!」

ゆう「ふぎゃ~(ボクのためにもがんばって~)」

鉄分を多く含む食品には、レバー、小松菜、ひじき、赤身の肉類などがあります。これらを日々の食事に少しずつ取り入れることで、母体も赤ちゃんも守ることができます。さらに、ビタミンC(ピーマン、キウイ、いちごなど)と一緒に摂取することで、鉄の吸収率はぐんと上がるため、食べ合わせも意識してみましょう。


2. ビタミンB6は「つわり・嘔気」を軽減し、胎児の脳形成もサポート

妊娠初期のつわりや吐き気に悩まされるママを支える栄養素のひとつが、ビタミンB6です。複数の臨床研究により、ビタミンB6がつわりの症状を和らげる効果があることが確認されており、アメリカ産科婦人科学会(ACOG)でもその摂取が推奨されています。

パパ(医師)「つわりにはビタミンB6が効くって研究でも出てるよ。JAMAにもちゃんと載ってるんだ」

ミサ「じゃあママにバナナスムージー作ろっか!バナナってB6入ってるでしょ?」

いっしー「納豆もOK?ボクが混ぜるからね!」

実際、JAMAに掲載された2016年の論文https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2565291では、ビタミンB6を摂ることでつわりが軽減されたと報告されています。また、ビタミンB群は胎児の脳や神経の発達をサポートする大切な栄養素でもあります。

納豆、鶏むね肉、じゃがいも、アボカドなど、日々の食卓で取り入れやすい食品に多く含まれており、無理のない範囲で「少しずつでも食べる」ことが、ママの体と赤ちゃんの未来を守る第一歩になります。

ゆう「ふぎゃ〜(バナナの香りがした!)」


3. ビタミンB1(チアミン)は妊婦の「慢性疲労」に、B12は胎児の神経発達に不可欠

ビタミンB1(チアミン):エネルギー代謝と神経機能のサポート

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する際に必要な酵素の補因子として働きます。妊娠中はエネルギー需要が増加するため、B1の必要量も増加します。不足すると、倦怠感、集中力の低下、食欲不振などの症状が現れることがあります。特に、つわりが重い妊婦さんは、ビタミンB1の欠乏に注意が必要です。

ある研究では、妊娠中の女性の約38.2%がビタミンB1不足であり、これが母体の神経系や心血管系に影響を及ぼす可能性があると報告されています。 ビタミンB12:胎児の神経管形成に不可欠

また、ビタミンB12は、胎児の神経系の発達に重要な役割を果たします。妊娠初期にB12が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害(NTD)のリスクが高まることが示されています。米国国立衛生研究所(NIH)の研究では、血中ビタミンB12濃度が低い女性は、NTDのある子どもを出産するリスクが5倍高いと報告されています。

ビタミンB1・B12を豊富に含む食品

  • ビタミンB1:豚肉、玄米、全粒パン、豆類
  • ビタミンB12:卵、魚介類、乳製品、肉類

これらの食品を日常的に取り入れることで、ビタミンB1とB12の摂取を効果的に増やすことができます。


家族の会話:栄養を意識した食事の工夫

ママ:「最近、朝起きるのがつらくて、なんだかボーッとしちゃうの。」

パパ(医師):「それはビタミンB1が足りてないのかもしれないね。エネルギー代謝に関わるから、意識して摂取しよう。」

ミサ:「じゃあ、今夜は豚肉の生姜焼きにしようよ!玄米ご飯も炊いて。」

いっしー:「ボク、卵焼き作る!ママのために頑張るよ!」

ゆう:「ふぎゃ〜(ボクも一緒に食べたいな)」


妊娠中は、ビタミンB1とB12を意識的に摂取することで、母体の倦怠感や集中力の低下を防ぎ、胎児の健やかな発育をサポートできます。日々の食事にこれらの栄養素を取り入れ、家族みんなで健康を支え合いましょう。


4. 葉酸は「粘膜の安定」や「つわりの予防」に、胎児の神経管閉鎖障害も防ぐ

妊娠初期に必要な栄養素といえば「葉酸」。胎児の神経管閉鎖障害(無脳症や二分脊椎など)のリスクを減らすために不可欠なビタミンであることは広く知られています。しかしそれだけでなく、ママ自身の粘膜や消化器の安定にも関与し、つわりの悪化を防ぐ働きもあるのです。

パパ(医師)「葉酸は赤ちゃんの脳や神経の土台をつくる栄養だよ。妊娠初期にとても大切なんだ」

ママ「つわりがきつい時こそ、ちゃんと摂らなきゃね…食べやすい方法、あるかな?」

ミサ「じゃあ今日のお昼は“枝豆とブロッコリーの冷製パスタ”!見た目も爽やかに仕上げるよ♪」

いっしー「納豆とご飯もあるよ!これで葉酸ばっちり!」

食事から摂れない日はサプリメントを活用しつつ、**無理なく“できる範囲で毎日少しずつ”**を心がけることが、ママと赤ちゃんの健やかなスタートを支えます。

▶ 推奨摂取量:1日400μg(サプリ含め: 厚労省も推奨)

▶ 食品例:枝豆、アスパラガス、ブロッコリー、オレンジ、納豆


家族で支える「栄養習慣」がママと赤ちゃんの体調を整える

ママ「今朝も食欲なかったけど、いっしーが作ってくれたバナナ豆乳スムージー、少しだけ飲めたよ」

パパ(医師)「それだけでも立派。バナナでビタミンB6も補えるし、豆乳でたんぱく質も摂れる。血糖も安定するね。スープには小松菜とレバーを少し加えようか。鉄分と葉酸も補えるからね」

ミサ「じゃあ、今日の“ミサごはん”のテーマは…『赤ちゃんの脳にビタミンB12』!決まり!」

いっしー「ボクは納豆を混ぜる担当!B群、まかせて!」

ゆう「ふぎゃ〜(ママ、なんだかいつもより元気そう!)」

少しの栄養でも、妊娠中の体はしっかり応えてくれるもの。無理せず、食べられる範囲で、栄養素を意識するだけで、ママも赤ちゃんもぐんとラクになるのです。家族のサポートが、何よりの栄養です

まとめ|妊婦の不調と胎児の健康は「栄養と支え」で守れる

家族の気遣いと、科学に基づいた習慣づくりが、ママと赤ちゃんの毎日を変えます母体と胎児の健康に直結します。日々の食事に注意を払い、必要に応じて医師や栄養士に相談することをお勧めします。

鉄分・ビタミンB群・葉酸は、ママの体調(だるさ・つわり・嘔気)と胎児の健康(発育・神経形成)に直結

食べられるときに、少しずつ、やさしい調理法で摂取を

家庭でできる不調ケア|家族の支えで乗り切る工夫

1.におい・光・音など刺激を減らす環境づくり

妊娠中はホルモンの影響で、においや音、光など五感が敏感になります。そのため、些細な刺激がつわりや頭痛、だるさを悪化させることも。環境を少し整えるだけでも、体調が安定しやすくなるのです。

たとえば、料理中はしっかり換気をすることで、においによる吐き気を軽減できます。テレビや照明を控えめにすると、目の疲れや不快感が和らぎ、落ち着いた気持ちにもつながります。また、寝室には遮光カーテンを設置することで、睡眠の質を上げる効果も期待できます。

そんなある日——

ミサ「ママ、ゆうを起こさないようにカーテン閉めといたよ。あとテレビも音ちっちゃくしておいたから」

ママ「ありがとう…静かでほっとするわ」

妊娠中のママがリラックスできる空間づくりは、家族のちょっとした気遣いから。その優しさが、毎日の安心と体調の安定につながります。〜」

2.“今日できることだけ”をやる思考に切り替える

妊娠中は日によって体調が大きく変わるもの。そんなとき大切なのは、**「ちゃんとやらなきゃ」ではなく「できたらOK」**という気持ちで自分を受け入れることです。無理をすると心も体も疲れてしまい、つわりやだるさが余計につらく感じてしまうことも。

パパ(医師)「今日はクラッカー1枚でも食べられたなら、それだけで十分。えらいよ」

ママ「ありがとう…そう言ってくれると、ちょっとだけ元気になれる気がする」

いっしー「明日はゼリーにしようか?ボク、冷蔵庫から出す係する!」

どんなに小さな一歩でも、「できたこと」に目を向けることが大切です。**“自分を責めずに、できたことを喜ぶ”**その気持ちが、心の余裕と回復への第一歩になります。妊娠中こそ、自分にやさしいマインドを。

3. 眠気がひどい時は「15分昼寝+深呼吸」

妊娠中の強い眠気や倦怠感に悩まされる方は多く、特に午後の時間帯にその傾向が強まります。このような場合、15〜20分程度の短い昼寝(パワーナップ)と深呼吸を取り入れたリズム呼吸が効果的であることが、最新の研究で示されています。

妊娠中の短時間昼寝の効果

2023年に発表された研究では、妊娠中の女性が15〜59分の昼寝を取ることで、夜間の睡眠効率と質が向上することが報告されています。特に、15〜20分程度の短い昼寝は、夜間の睡眠に悪影響を与えることなく、日中の眠気や疲労感を軽減するのに有効です。https://jcsm.aasm.org/doi/full/10.5664/jcsm.10350

リズム呼吸の併用

短時間の昼寝に加えて、深呼吸を取り入れたリズム呼吸を行うことで、リラクゼーション効果が高まり、心身のリフレッシュに繋がります。特に、昼寝前や目覚めた後に数分間の深呼吸を行うことで、リラックス状態を促進し、日中の活動にスムーズに戻ることができます。https://www.health.com/news/4-7-8-breathing-technique-sleep?utm_source=chatgpt.com

🌿 リズム呼吸の具体的な方法

以下のステップで、リズム呼吸を実践してみましょう:

  1. 姿勢を整える:椅子に座るか、仰向けに寝て、背筋を伸ばします。
  2. 深く息を吸う:鼻からゆっくりと4秒かけて息を吸い込みます。
  3. 息を止める:そのまま7秒間、息を止めます。
  4. ゆっくり吐く:口から8秒かけて、ゆっくりと息を吐き出します。
  5. 繰り返す:このサイクルを4回ほど繰り返します。

この「4-7-8呼吸法」は、リラクゼーションを促進し、心身の緊張を和らげる効果があります。特に、昼寝前や目覚めた後に行うことで、リフレッシュ効果が高まります

眠れないない夜の工夫

妊娠中の「不眠(insomnia)」は多くの妊婦さんが経験する悩みのひとつで、特に妊娠初期〜後期にかけて顕著になることがあります。

眠れなくなる原因

① ホルモン変化(特にプロゲステロン)
  • プロゲステロンの増加により、日中の眠気や体温上昇、気分の不安定さが起こりやすく、昼間の仮眠で夜の眠りが浅くなることも。
  • NEJM誌(2021)では、妊娠初期のホルモン変動が概日リズムに影響し、不眠のリスクを高めることが報告されています。
② 身体的な不快感
  • 背中や腰の痛み、胃のムカつき、頻尿(特に夜間)、胎動などが原因で夜間覚醒が増えます。
  • BMJ誌(2022)では、妊娠中の夜間頻尿と睡眠の質の関連性について報告されました。
③ 精神的ストレスや不安
  • 妊娠や出産への不安、家族や仕事との両立によるストレスが不眠の原因に。
  • The Lancet Psychiatry(2020)では、妊娠中の心理的ストレスが不眠と産後うつのリスクを高めることが明記されています。
④ 睡眠時無呼吸症候群(OSA)
  • 妊婦は体重増加やホルモンの影響で**OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)**のリスクが上昇。
  • JAMA(2019)では、妊娠後期のOSAと妊娠高血圧症候群・胎児発育遅延の関連が報告されています。

白湯やハーブティー(カモミール、ジンジャー)を少量飲む

  • カモミールティー:カモミールにはリラックス効果があり、睡眠の質を向上させる可能性が示されています。
    • ある研究では、カモミール抽出物の摂取が高齢者の睡眠の質を有意に改善したと報告されています。 PubMed
  • ジンジャーティー:ジンジャーは消化を助け、リラックス効果があるとされています。
    • レモンとジンジャーのハーブティーは、消化促進やリラックス効果があり、就寝前の習慣として有用であるとされています。

リラックス音楽を流す

  • リラックス音楽を聴くことは、睡眠の質を向上させる可能性があります。
    • ある研究では、就寝前にリラックス音楽を聴くことで、主観的および客観的な睡眠パラメータが改善されたと報告されています。 Nature

横になるだけでもOKという気持ちで構える

  • 眠れないことへの不安が睡眠を妨げることがあります。
    • 「眠れなくても横になっているだけで休息になる」と考えることで、リラックスしやすくなり、自然な眠りにつながることがあります。

スマホのブルーライトを避ける

  • 就寝前のブルーライト(青色光)曝露は、メラトニンの分泌を抑制し、睡眠を妨げる可能性があります。
    • ある研究では、就寝前のブルーライト曝露が睡眠の質を低下させる可能性があると報告されています。
    • 別の研究では、スマートフォンの使用がメラトニンの分泌を抑制し、睡眠パターンに影響を与える可能性があると報告されています。

これらの方法は、個人差がありますが、眠れない夜に試してみる価値があります。また、睡眠に関する悩みが続く場合は、専門家に相談することをおすすめします。

💬 ゆう(泣き声):ふええ〜〜〜〜!!
💬 ミサ:「あっ、ドル円…また落ちた」

参考文献;

4. ジンジャー・酸味食材でつわり軽減

妊娠中のつわりや倦怠感に対して、自然な方法での対処を考える方も多いでしょう。特に、レモン水、梅干し、生姜茶といった食品は、古くからその効果が注目されています。これらの食品の効果について、科学的な視点からご紹介します。https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2565291?utm_source=chatgpt.com


🍋 レモンの香りでつわり軽減

レモンの香りがつわりの軽減に効果的であることが、複数の研究で示されています。例えば、あるランダム化比較試験では、妊娠初期の女性がレモンの精油を吸入することで、つわりの症状が有意に軽減されたと報告されています。この研究では、レモンの香りが妊娠中の吐き気や嘔吐を和らげる可能性があると結論づけられています。

ママ「最近、つわりがひどくて…特ににおいがダメなの」

ミサ「ねえママ、レモンの香りが効くって知ってた?研究で証明されてるんだよ」

パパ「そうそう。あるランダム化比較試験では、妊娠初期の女性がレモン精油を吸入したら、吐き気や嘔吐が明らかに軽くなったって。対照群より有意に効果があったんだ」

ミサ「レモンのアロマ、家でもできそう!」

いっしー「ぼくがレモンしぼって、ママのそばに置いてあげるー!」

ゆう「ばぶー!(協力した気分)」

ママ「ありがとう、みんな。ちょっと元気出たかも」

レモンの香りと家族のやさしさで、つわりのつらさが少し和らぐかもしれません。

https://www.researchgate.net/publication/262342743_The_Effect_of_Lemon_Inhalation_Aromatherapy_on_Nausea_and_Vomiting_of_Pregnancy_A_Double-Blinded_Randomized_Controlled_Clinical_Trial


🫚 生姜茶で胃の不快感を和らげる

生姜は、妊娠中の吐き気や嘔吐の軽減に効果的であるとされています。ある研究では、生姜の摂取が妊娠中の吐き気や嘔吐の症状を有意に改善したと報告されています。生姜茶として摂取することで、胃の不快感を和らげる効果が期待できます。https://jchr.org/index.php/JCHR/article/view/2163?utm_source=chatgpt.com

(朝のキッチンにて)

ママ「うぅ…最近つわりがひどくて、朝から何も食べたくないわ…」

ミサ(9歳)「ママ、生姜茶って知ってる?妊娠中の吐き気に効くらしいよ。研究でちゃんと証明されてるんだから!」

パパ(医師)「その通り。インドで行われた研究では、妊娠初期の初産婦に1日1回、生姜500mgを使ったお茶を4日間飲ませたんだ。そしたら、吐き気や嘔吐、空嘔吐が明らかに軽くなったという結果が出てるよ」

ミサ「それってすごい!うちでも作ってあげようよ!」

いっしー(6歳)「ぼく、生姜すってあげるー!」

ゆう(0歳)「ふぎゃ〜(←応援中)」

パパ「じゃあ、ママのために生姜茶を淹れよう。あったかくして飲むと、胃の不快感も和らぐよ」

ママ「ありがとう…家族の優しさと生姜茶で、今日も乗り切れそう!」

――研究と家族の支えが、ママの朝にやさしいひとときをもたらしたのでした。


🌸 梅干しで胃腸を整える

梅干しは、日本の伝統的な食品であり、胃腸の調子を整える効果があるとされています。梅干しに含まれるクエン酸は、消化を助け、吐き気を和らげる可能性があります。また、梅干しの酸味が唾液の分泌を促進し、口の中をさっぱりとさせる効果も期待できます。梅干しについては科学的な根拠のある論文はありませんが、下記ブログで紹介されています。 https://eversense.co.jp/article/27901?utm_source=chatgpt.com

5. 軽めのウォーキングやストレッチ

妊娠初期の女性311人を対象に行われた研究では、仕事中や余暇での身体活動とつわりの関係を調査。その結果、屋外での軽い運動(散歩やウォーキングなど)が、吐き気やだるさの軽減に役立つ可能性が示されました。日光や風を感じながら体を動かすことで、血流が改善し、自律神経が整うと考えられています。ママと一緒に無理のない範囲で外を歩くことで、つわりのつらさが少し和らぐかもしれません。

ママ「ふぅ〜、朝の風って気持ちいいわね。体が軽くなる感じがする」

パパ(医師)「実はね、最近の研究でも、屋外での軽い運動が妊娠中のつわりを軽減する可能性があるって発表されてるんだよ」

ミサ(9歳)「ほんと?どんな研究?」

パパ「アメリカの研究で、妊娠初期の女性311人を対象に、仕事中や余暇にどんな身体活動をしてるかを調べたんだ。そしたら、ウォーキングとか外での軽い運動をしている人の方が、つわりの症状が少ない傾向があったんだって」

いっしー(6歳)「ママ、すごいじゃん!公園いっぱい歩いたらもっと元気になるかも!」

ママ「うん、たしかにおうちにいるより、こうして歩いてる方が気分も体もすっきりするわ。ゆうもぐっすり寝てるし」

ゆう(0歳)「ふぎゃ〜…(←ベビーカーで爆睡中)」

パパ「この研究では、特に“屋外”での活動がポイントなんだ。日光を浴びて、少し汗をかくくらいの運動が、血流を良くして自律神経を整えるんだよ。それが、つわりの原因の一部にも関係してるらしい」

ミサ「ママ、毎日ちょっとずつ歩こうよ!いっしーとゆうも付き合うし!」

ママ「そうね。家族みんなで一緒にお散歩する時間、なんだかすごく幸せ」

――家族のあたたかい声と、科学の力が、ママの心と体を少しずつ軽くしていくのでした。

妊娠中の身体活動とつわりの関連性に関する研究https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6600623/?utm_source=chatgpt.com

車中でのつわり対策

つわりが運転中に悪化: 気持ち悪い時の対策

車の振動や匂いもつわりを悪化させる原因になります。

車の振動とつわりの関連性

妊娠中の女性が車の振動や動揺によってつわりの症状が悪化する可能性が示唆されています。乗り物酔いに対する感受性が妊娠中に高まることが報告されており、車の振動がつわりの症状を増強する要因となる可能性があるとされています。

対策:

  • 換気をしっかり行う
  • ミントやレモン系のガムや飴を用意
  • 揺れにくい前の席に座る
  • 乗車前に炭酸水を少量飲む

💬 いっしー:「ママ、パンダが車の中で一番落ち着いてるよ!」
💬 パパ:「うーん、ドル円上がってるときはね…(パンダがご機嫌)」

つわりと仕事の両立

職場での対策

  • 上司や同僚に相談する:つわりの症状を理解してもらう。
  • 休憩をこまめに取る:無理をせず、体調に合わせて休む。
  • デスクに飴やガムを常備する:気持ち悪さを和らげる。

ママ「最近、通勤の電車もつらくて…職場でも気持ち悪くなっちゃうの。」

パパ「つわりは個人差が大きいから、無理しないで。上司や同僚に相談してみたらどう?」

ミサ「お仕事の人に話すのって勇気いるけど、ママの体が一番大事だよ!」

パパ「うん。休憩をこまめに取ったり、無理せず座って仕事できる環境が大切だよ。」

ママ「そうね…デスクに飴とかガム置いておくのも良さそう。少し気がまぎれるかも。」

いっしー「ぼくも飴持ってるよ!ママの分、分けてあげる!」

ママ「ありがとう、頼もしいなぁ。」

妊娠中のつわりを乗り越えるには、家族の理解と職場の協力が欠かせません。無理をせず、自分の体と相談しながら過ごすことが大切です。

仕事を休む判断基準

  • 吐き気や嘔吐がひどく、仕事に集中できない場合
  • 医師から安静を指示された場合
  • 体調が優れず、通勤が困難な場合

ママ「今日はずっと吐き気がひどくて…仕事に全然集中できなかったの。」

パパ「それはつらいね。医師からも“無理せず安静に”って言われてたよね?」

ミサ「ママ、頑張りすぎちゃダメだよ。おなかの赤ちゃんも休ませてって言ってるかも!」

ママ「うん…通勤の電車だけでもしんどくて、行くだけでぐったりしちゃうの。」

パパ「じゃあ、しばらくお休みをもらうのがいいね。体調が第一だよ。」

いっしー「ママ、ボクが毛布持ってきてあげる!」

ママ「ありがとう、みんながいてくれて心強いなぁ。」

つわりが重く、体調が優れないときは、無理に出勤せず休む勇気も大切。家族のサポートと医師の指示を大切に過ごしましょう。


つわりがひどい!|どんな時に病院に行くべき?

こんな時は迷わず病院へ!

以下のような症状が見られる場合は、**妊娠悪阻(Hyperemesis Gravidarum)**や軽度の貧血が関与している可能性があり、早めの医療機関受診が推奨されます。

たとえば、「24時間以上何も食べたり飲んだりできない」「急に体重が3kg以上減ってしまった」「尿がほとんど出ない、または濃い茶色をしている」「めまいやふらつきがひどく、起き上がるのがつらい」といった状態は、単なるつわりを超えて、体に負担がかかっているサインです。

特に妊娠悪阻は、重度のつわりによって脱水や栄養不足、電解質異常を引き起こすことがあり、放置すると母体にも胎児にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、鉄分不足や血液量の変化により貧血を伴うこともあるため、「我慢できるから大丈夫」と思わず、症状が続く場合は医師に相談しましょう。

早期の対応が、母子ともに安心できる妊娠生活につながります。。

  • 24時間以上飲食ができない
  • 体重が急激に減る(妊娠前より3kg以上)
  • 尿が出ない/濃い茶色の尿
  • めまいやふらつきが強い

病院での治療内容

日本産科婦人科学会が発行する『産婦人科診療ガイドライン 産科編』では、妊娠悪阻の治療に関して以下のように記載されていますまず、**輸液(点滴)**によって体内の水分、電解質、ビタミンを補う治療が行われます。つわりが続いて食事や水分がとれない場合、脱水や電解質異常を防ぐために重要です。

輸液(点滴)による水分・電解質補給
脱水が認められる場合、十分な輸液を行い、必要に応じてビタミンB1(チアミン)を添加することが推奨されています。

制吐薬の使用
吐き気や嘔吐が強い場合、制吐薬(例:メトクロプラミド、オンダンセトロンなど)の使用が考慮されます。これらの薬剤は、胎児への明らかな悪影響が報告されていないことから、医師の判断のもとで使用されることがあります。

ビタミンB1(チアミン)の投与
長期間の嘔吐によりビタミンB1が欠乏すると、ウェルニッケ脳症などの神経障害を引き起こす可能性があるため、ビタミンB1の補給が重要とされています。

これらの治療法は、母体と胎児の安全を第一に考えながら、症状の軽減を目指すものです。つわりがつらいときは、我慢せず医師に相談しましょう。

参考文献;産婦人科 診療ガイドライン ―産科編 2023 https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2023.pdf

つわりに関するQ&A

Q. つわりがひどい時、薬を飲んでも大丈夫?

A. 医師の指導のもと、ビタミンB6やドキシラミンなどの薬が処方されることがあります。自己判断での服用は避け、必ず医師に相談してください。産科ガイドラインP112 https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2023.pdf

Q. つわりが終わらない場合、どうすればいい?

A. 通常、つわりは妊娠16週頃までに軽くなるケースが多いですが、一部の方は20週以降、さらには出産まで続くこともあります。これを「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼び、医療的な対応が必要な状態です。

下記のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください:

  • 水すら飲めず、体重が急激に減っている(5%以上)
  • 尿がほとんど出ない、濃い黄色
  • めまいや立ちくらみ、フラフラして歩けない
  • 脱水症状、全身のだるさや脱力感が強い

病院では、ビタミンB1補給、電解質補正、制吐薬の点滴などが行われます。

👉 参考:NEJM. “Nausea and Vomiting of Pregnancy.” 2018年【https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp1709714】

産科ガイドラインP112 https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2023.pdf


各章のまとめ

■ 食事・栄養編まとめ

つわり中でも朝食は抜かず、少しずつでも口にすることが大切です。空腹時間が長くなると吐き気が強まることがあります。食事では、鉄分・葉酸・ビタミンB群を意識して取り入れると、胎児の発育やママの体調維持に役立ちます。また、レモンや梅干しなど酸味のある食品や**ジンジャー(生姜)**は、唾液や胃液の分泌を促して吐き気を和らげる可能性があり、つわり対策としてもおすすめです。自分が「食べられるもの」を見つけて、無理なく工夫しましょう。


■ 倦怠感・眠気編まとめ

妊娠中はホルモンの影響で眠気やだるさを感じやすくなります。昼間の強い眠気には15分ほどの仮眠がおすすめ。長時間の昼寝は逆効果になるため注意しましょう。バランスの良い食事も大事です。鉄分やビタミンB群を含む食品(例:レバー、ほうれん草、卵)を積極的に摂取しましょう。

さらに、軽いストレッチやウォーキングは血流を促し、心身のリフレッシュに効果的です。「これができたらOK」と自分に優しくなる気持ちが心のゆとりにつながります。室内のにおい・光・音など環境を整える工夫も、つらさを軽くする大切なポイントです。


■ 医療編まとめ

「水が飲めない」「体重が3kg以上減った」「尿が出ない・濃い」「ふらつきが強い」などの症状がある場合は、妊娠悪阻の可能性があり、早期受診が重要です。医療機関では点滴で水分・電解質・ビタミンを補給し、必要に応じて**制吐薬(メトクロプラミドやオンダンセトロン)**が使われます。また、ビタミンB1(チアミン)を投与して神経障害を防ぐ対応も行われます。日本の診療ガイドラインでもこれらの治療が推奨されており、我慢せず相談することが大切です。


ブログ全体のまとめ|妊娠中の不調は“仕組み”と“工夫”で乗り切れる

妊娠初期に起こる「つわり・倦怠感・眠気」は、身体の変化による自然な反応です。

その背景には、ホルモンバランスの急変、栄養不足、感覚過敏、精神的なストレスなどが複合的に関わっています。

だからこそ、

  • 朝食の工夫、におい・音・光の刺激回避
  • ジンジャーや酸味、鉄・ビタミンの補給
  • 短時間の昼寝、軽い運動、心のゆとり
  • 症状が重い場合の医療機関受診

こうしたアプローチで、つらい日々は必ず“乗り越えられる”ものになります。

ゆう「ふぎゃ〜(ママのがんばり、全部わかってるよ〜!)」

パパ「医学と家族の力で、不調は必ずラクにできるよ」


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