【若年性認知症チェックリスト】原因・初期症状・余命・予防法まで医師が徹底解説!

目次

キャラクター紹介(異世界ファンタジー家族)

  • パパ(46歳):内科専門医・消化器肝臓内科医。FXとスマホチャートが大好きで寝不足がち。脂肪肝持ち。朝のランニング&テニスが日課。
  • ママ(37歳):理学療法士。ウォーキングとテニスが趣味。笑顔と表情が豊かで、家庭の癒しの中心。
  • ミサ(9歳):小学4年生。冷静かつしっかり者。ピアノとスイーツを愛する突っ込み系女子。
  • いっしー(6歳):小学1年。テニスとサッカー大好き。寝る時もボールと一緒。
  • ゆう(0歳):天才的な泣き声タイミングを持つ赤ちゃん。FXが急落するたびに泣く。
  • パンダ(猫):気分屋の猫。甘えてくるとドル円が上がる不思議な存在。

「物忘れが最近多い」「仕事のミスが増えた」――それ、ただの疲れではないかもしれません。

実は65歳未満で発症する「若年性認知症」は、20代や30代でも見られ、早期発見・対応が極めて重要です。家族の中に、気になる兆候がある人はいませんか?

今回は医師パパが、家族とともに若年性認知症のチェックリスト・原因・初期症状・余命・予防策について、科学的エビデンスと実体験をまじえてやさしく解説します。


第1章:若年性認知症とは? 定義と読み方。発症率は?

**若年性認知症(読み方:じゃくねんせいにんちしょう)**は、一般に65歳未満で発症する認知症のことを指します。

ミサ「ねぇパパ、“若年性認知症”ってなに?お年寄りだけの病気じゃないの?」
パパ「いい質問だね。若年性認知症(じゃくねんせいにんちしょう)っていうのは、65歳より若くして発症する認知症のことなんだ。30代や40代でもなる人がいて、仕事や子育ての真っ最中に症状が出ることもあるんだよ」
ミサ「それって、家族もすごく困るよね…」
パパ「うん、だからこそ早く気づくことがとても大事なんだ」

👉 若年性認知症とは「65歳未満で発症する認知症」。本人も周囲も気づきにくく、早期発見がカギとなります。

主な原因疾患:

  • アルツハイマー型認知症
  • 前頭側頭型認知症(FTD)
  • 血管性認知症
  • ピック病 など

日本における若年性認知症の有病率は約4万人と推定されており、働き盛りの30〜50代にも発症例が報告されています。この推定値は、厚生労働省が公表した「若年性認知症支援ハンドブック」に基づいています。同ハンドブックでは、若年性認知症の定義や症状、支援制度について詳しく解説されています。

参考:厚生労働省 若年性認知症支援ハンドブック(令和3年度版)

発症率(有病率):

  • フォローアップ期間中(平均8.1年)に485人が若年性認知症を発症
  • 発症率:100,000人年あたり16.8人(95% CI:15.4–18.3)

ミサ「パパ、若年性認知症って、どれくらいの人がなるの?」
パパ「最近の研究だとね、平均8年くらいの追跡で356,000人以上を調べたら、485人が発症してたんだよ」
ママ「それって確率にすると?」
パパ「年に10万人あたり約17人。つまり、大きな町なら毎年数人は発症しているってことになるよ」
いっしー「えっ、意外と多い…」
ミサ「じゃあ、家族や職場でも気をつけなきゃだね」
パパ「そう。誰にとっても身近な話なんだよ」
ゆう「ばぶー!(パパ、気をつけて〜)」

Risk Factors for Young-Onset Dementia in the UK
Biobank https://cris.maastrichtuniversity.nl/ws/portalfiles/portal/182322361/DeVugt-2023-Risk-Factors-for-Young-Onset.pdf

章末まとめ:

  • 若年性認知症は65歳未満で発症する
  • 病型は多岐にわたり、進行が早いこともある
  • 社会的支援が重要

第2章:映画と漫画で知る若年性認知症|物語から学ぶ“共感と理解”

若年性認知症を描いた映画や漫画は、病気の理解だけでなく“心の共有”を可能にしてくれます。特に『アリスのままで(Still Alice)』(アリスのままで公式サイト http://alice-movie.com/)は、50歳で若年性アルツハイマー病と診断された言語学者の主人公が、徐々に記憶を失いながらも自分らしさを模索する姿が描かれています。

この映画は、2015年アカデミー賞主演女優賞を受賞し、認知症に対する偏見を和らげる作品として高く評価されています。

また、若年性認知症をテーマにした漫画作品も増えており、家族や介護者の視点から当事者の変化や葛藤をリアルに描いたものが注目されています。たとえば、吉田いらこ氏の『若年性認知症の父親と私』や『夫がわたしを忘れる日まで』では、40代〜50代で若年性認知症を発症した親や配偶者との生活が詳細に描かれており、共感を呼んでいます。

また、こうした作品に加え、若者を主人公にしたフィクション作品の中でも「記憶の喪失」というテーマが象徴的に扱われることがあり、若い世代にとっても“認知症”という病気を理解するきっかけとなっています。


ミサ「この映画…最初は笑ってたのに、最後は胸がぎゅっとなった…」

パパ「物語の中で、“その人らしさ”がどう変わっていくのか、感じられるよね」

いっしー「漫画で読んだら、ぼくもわかったよ」

ゆう「ばぶ〜(えいが、またみたい〜)」

   


章末まとめ

  • 映画や漫画は“共感”と“理解”を育むツール
  • 『アリスのままで』は特に若年性認知症の実情を描いた名作
  • 家族で観ることが支援のきっかけに

第3章:初期症状と気づきのサイン

若年性認知症(65歳未満で発症する認知症)は、記憶障害よりも先に、感情や行動の変化が初期症状として現れることが多いとされています。特に前頭側頭型認知症(FTD)の行動変異型(bvFTD)では、無関心、共感の喪失、脱抑制、強迫的な行動などが初期に見られます。これらの症状は、患者自身が気づかないことが多く、周囲の家族や同僚が最初に異変に気づくことが一般的です。

ミサ「パパ、認知症って、物忘れから始まるんでしょ?」
パパ「一般的にはそう思われてるけど、若年性認知症の場合はちょっと違うんだよ。実は、最初に出るのは“感情”や“行動”の変化なんだ」
ママ「たとえば?」
パパ「今まで温厚だった人が急に怒りっぽくなったり、無関心になったり、同じ行動を繰り返すようになる。そういう“性格の変化”が家族にとって最初のサインなんだ」
いっしー「それって、学校で怒ってる先生と似てる?」
ミサ「…いっしー、それはただの“機嫌”の問題だと思うよ」
パパ「(笑)まぁ、似てるけど、認知症は“脳の変化”が原因。前頭葉や側頭葉がダメージを受けて、感情をコントロールする力が弱くなるんだ」
ママ「本人には自覚がないことも多いのよね…」
パパ「そう。だから周りの人が気づいてあげることがとても大切なんだ」

👉若年性認知症の初期症状は、感情や行動の変化が中心。本人よりも家族や職場の仲間が最初に異変に気づくケースが多く、早期発見と理解が支援の第一歩になります。

主な初期症状:

  • 記憶力の低下(予定を忘れる、同じ話を繰り返す)
  • 注意力の低下(仕事でのケアレスミス、運転中の判断力低下)
  • 感情の不安定(怒りっぽくなる、無関心になる)
  • 言葉が出にくくなる、理解力の低下
  • 生活の段取りがうまくできなくなる

ミサ「パパ、よくスマホどこに置いたか忘れるけど、それも初期症状なの?」

パパ「それは“スマホ依存”の方かもね(笑)。でも同じ行動が何度も続いたり、家族が違和感を覚えたら要注意だよ」

医学論文より:

2022年にThe Lancetに掲載されたレビューによると、前頭側頭型認知症では「性格変化」が最初に現れるケースが最多で、本人の自覚がないまま周囲が気づくことが多いとされています。

※ Advances and controversies in frontotemporal dementia: diagnosis, biomarkers, and therapeutic considerations https://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422(21)00341-0/abstract?uuid=uuid%3A11b0999b-cdfc-41d2-9a7f-54edcdbf07a8&utm_source=chatgpt.com

章末まとめ:

  • 初期症状は記憶障害だけでなく性格・感情の変化も
  • 家族が「いつもと違う」と感じることが発見のきっかけ
  • 早期受診がカギ

ゆう「ばぁ〜!(パパ、スマホまた探してる〜♪)」


第4章:若年性認知症の原因となりやすい人

いっしー「パパ、なんで若い人でも認知症になっちゃうの?」
パパ「いい質問だね。若年性認知症には、いくつかの“なりやすい理由”があるんだ。たとえば、家族の中に認知症の人がいたりすると、遺伝の影響があることがあるんだよ」
ミサ「えっ、遺伝だけなの?」
パパ「いや、それだけじゃないよ。食べすぎ・運動不足・お酒の飲みすぎ・寝不足…そういう生活習慣も関係してる。脂肪肝とか糖尿病もリスクを高めるんだ」
ママ「つまりパパの生活、結構あやしいってことね?」
パパ「えっ…最近、走ってるし、コーヒーも抗酸化対策だし…!」
ゆう「ばー!(パパ、スイーツ減らして!)」

👉 若年性認知症のリスクには、遺伝的な要因だけでなく、生活習慣病やストレス、アルコールの影響なども関係します。家族みんなで健康管理を意識することが、未来の“脳の健康”を守るカギになります。

また、2023年に発表されたUK Biobankによる研究ではn = 356,052)では、若年性認知症(Young-Onset Dementia, YOD)の発症に関連する15のリスク因子が特定されました

✅ 若年性認知症の発症リスクを高める因子:

低学歴(リスク比:1.67)

低い社会経済的地位(1.47)

APOE ε4ホモ接合型(1.85)

アルコール使用障害(1.50

社会的孤立(1.55)

ビタミンD欠乏(1.50)

高CRP(炎症マーカー)(1.44)

聴覚障害(1.42)

立性低血圧(1.65)

脳卒中(2.36)

糖尿病(1.60)

心疾患(1.45)

うつ病(1.68)

アルコール非摂取(1.33)

ミサ「ねえパパ、若年性認知症の原因って、生活習慣だけじゃないの?」
パパ「うん、実は遺伝子のタイプも関係してるんだよ。たとえば“APOE ε4”っていう遺伝子を両方の親からもらってる人は、発症リスクが約1.8倍になるって言われてる」
ママ「うちにも認知症の親戚いたから、ちょっと気になるわね…」
パパ「それから、脳卒中の既往がある人は2.36倍と、最もリスクが高かったんだ。血管の健康を保つことがすごく大事」
ミサ「でも、それって予防できるの?」
パパ「できるよ。高血圧や糖尿病を放置しない、食事や運動に気をつけることで脳卒中のリスクは下げられる」
いっしー「運動って、ぼくが毎日校庭でサッカーしてるやつ?」
パパ「その通り!それと、ビタミンD不足社会的孤立うつ病もリスクを高めるから、外に出て人と話すこともとっても大事なんだ」
ママ「じゃあ、家族みんなで日光浴しながらウォーキングね♪」
ゆう「ばぶ〜!(ぼくも一緒に行く〜!)」

APOE ε4ホモ接合型

 APOE ε4は、アポリポタンパク質E(ApoE)の遺伝子型のひとつで、アルツハイマー病のリスクが高まります。髄液検査で検査ができます。

参考;日本認知症学会では 「APOE 遺伝学的検査の適正使用ガイドライン」https://dementia-japan.org/wp-content/uploads/2025/04/apoeguideline2025.pdf

発症リスクを下げる因子:

  • 高学歴
  • 適度なアルコール使用
  • 握力が強い(身体的虚弱が少ない)

ミサ「パパ、若年性認知症になりにくい人って、どんな人なの?」
パパ「いい質問だね。最近の研究では、高学歴の人は発症リスクが低いってわかってきたよ。脳をたくさん使ってると、予備力が高まるって考えられてるんだ」
ママ「適度なお酒もいいって聞いたけど?」
パパ「そう。飲みすぎはNGだけど、軽く楽しむ程度ならリスクを下げることもあるみたい」
いっしー「ぼく、ジュースは適度にするよ!」
パパ「そして、握力が強い人=体が元気な人も発症しにくい。筋力って脳の健康とも関係してるんだよ」
ミサ「勉強して、体を動かして、たまには笑っておしゃべり…それが一番の予防法かもね♪」

👉 脳と体、バランスよく元気に使うことが、認知症予防の第一歩!

第5章:遺伝の確率は?|家族の中に“兆し”があるとき

若年性認知症と遺伝子の関係:ApoEとAPP・PSEN1・PSEN2

A家族の会話:ある日の食卓にて

ミサ(娘・小4)「ねえパパ、テレビで“認知症は遺伝するかも”って言ってたけど、ほんと?」

パパ(医師)「うん、いい質問だね。たとえば『ApoE(アポリポタンパクE)』っていう遺伝子の“ε4型”を持ってると、アルツハイマー型認知症のリスクが高まるって言われてるんだよ。」

いっしー(小1)「リスクって、なるってこと?」

パパ「そう、“なりやすい”ってこと。でも絶対になるって意味じゃないよ。」


🧬ApoE遺伝子とは?

タイプ特徴リスク
ε2型保護的な可能性やや低い
ε3型一般的中間
ε4型リスク上昇高い(特に2つ持ってると高い)

2024年のNature Medicineによると、ε4型を両親から受け継いだ「ホモ接合型(ε4/ε4)」では、65歳前後からアルツハイマーを発症する可能性が極めて高くなると報告されています。


若年性認知症の遺伝子検査は?

実は、**若年性アルツハイマー病(65歳未満で発症)**では、ApoEの影響は高齢者ほど強くありません。

代わりに、以下のような遺伝子変異が強く関与します:

遺伝子役割特徴
APPアミロイドβを作る変異で異常蓄積、30代〜40代に発症
PSEN1セクレターゼ複合体の一部最も多い遺伝性アルツハイマー原因
PSEN2PSEN1に類似稀だがやや高齢発症傾向

検査の適応

  • 若年性(通常65歳未満)での発症
  • 家族歴(とくに直系親族に2人以上のアルツハイマー病患者がいる場合)
  • 進行が速く、非典型的な症状がある場合

➡ こうしたケースでは、臨床遺伝専門医の判断のもとで遺伝子カウンセリングとともに、APP、PSEN1、PSEN2の遺伝子変異のスクリーニングが行われることがあります

ママ「家族で若年性認知症の人がいたら、検査でわかるの?」

パパ「そうだね、家族性が疑われるときは、遺伝子検査をすることもあるよ。ただし、診断目的というより“リスクを知る”ための検査だね。APPやPSEN1に変異があれば、ほぼ100%発症するっていう報告もあるんだ。」

陽性の場合の発症リスク

発症リスク(ほぼ100%)
  • APP、PSEN1、PSEN2の変異は常染色体優性遺伝形式をとります。
  • そのため、変異を1つでも持っている場合、ほぼ100%発症すると考えられています(“完全浸透性”と呼ばれる)。
  • 発症年齢は家系ごとに一定の傾向があり、PSEN1では30代〜50代前半での発症が多いとされます。

✅【代表的文献】

  • “Clinical and biomarker changes in dominantly inherited Alzheimer’s disease” — NEJM, 2012
  • “PSEN1 mutations and onset age of familial Alzheimer’s disease” — Journal of Neurology, 2020

診断には何が必要?

若年性認知症の診断は、ApoE検査だけでは不十分です。以下の検査が組み合わされて行われます:

  • MRI(脳の形を見る)
  • PET(脳の代謝を見る)
  • 脳脊髄液検査(アミロイドやタウ蛋白を測定)
  • 神経心理検査(記憶・思考力の評価)

📝まとめ

将来は、遺伝情報に基づいた個別化予防や介入が期待されている。

ApoE ε4型はアルツハイマー病のリスクを上げるが、若年性ではAPPやPSEN1変異の方が強い要因になる。

遺伝子検査は診断ではなくリスク評価の補助として使われる。

若年性認知症の診断は、多角的な検査と専門医の判断が必要。


章末まとめ

  • 遺伝子型(APOE ε4)により発症リスクが変わる
  • 遺伝だけでなく環境因子も影響
  • 生活習慣を整えることが予防につながる

第6章:アルコールとの関係|飲みすぎが脳に与える影響

アルコール多飲は、若年性認知症のリスクを1.5倍に高めると報告されています(UK Biobank研究 2023)Risk Factors for Young-Onset Dementia in the UK Biobank.” JAMA Neurology, 81(2), 134–142https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2813439

ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ・コルサコフ症候群など、アルコール性認知症の臨床像も広く知られています。


ママ「最近、ワイン1杯で寝落ちしてるよね?」

パパ「……節度ある飲酒、心がけます…」

いっしー「甘酒にしなよ、パパ!」

ゆう「ぶーぶー(パパ、おみずでいいよ〜)」


章末まとめ

  • アルコールは若年性認知症のリスク因子
  • 飲酒量の管理とビタミン補給が大切
  • 予防の第一歩は“自分の飲酒習慣の見直し”

第7章:芸能人も発症?|社会に与える影響と希望

著名人が若年性認知症を公表されいます。

🇯🇵 日本の事例

丹野智文さん(たんの ともふみ)

39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。診断後も仕事を続けながら、全国で講演活動を行い、認知症への理解を深める啓発活動を展開しています。「認知症になっても人生は終わりじゃない」というメッセージを発信し続けています。2023年には、丹野さんの実体験をもとにした映画「オレンジ・ランプ」が公開されました。https://soar-world.com/2017/02/24/tomofumitanno/?utm_source=chatgpt.com

下坂厚さん(しもさか あつし)

40代で若年性認知症と診断されました。趣味の写真を通じて、自身の思いや日常を発信し、認知症当事者としての声を社会に届けています。下記URLには妻との記録が書かれており、実際の苦悩が疑われます。

若年性認知症の夫と妻の記録 https://www.ytv.co.jp/ten/corner/other/6nniuu51z5siftxm.html


🌍 海外の事例

パット・サミット(Pat Summitt)

メリカの女子バスケットボール界の伝説的コーチであり、59歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。診断後もコーチを続け、病気への理解を深める活動を行いました。2016年に64歳で逝去されました。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88

ジェシカ・レッドメイン(Jessica Redmayne)

オーストラリアの女優であり、母親が50代半ばで若年性認知症と診断されました。自身も遺伝的リスクを抱えており、啓発活動に積極的に参加しています。、ロイヤルメルボルン病院で遺伝子検査を受けましたが、、結果を知ることは選択せず、「もし10年後に病気になると分かっていたら、それが人生に影を落とすだけ」と述べています。彼女は、結果を知らずに人生を前向きに生きることを選びました。


章末まとめ

  • 若年性認知症の公表は社会の意識を変えるきっかけに
  • 誤解や偏見を防ぐためにも正しい知識が必要
  • 有名人の発信が“身近な病気”としての認知を広げる

第8章:チェックリスト・セルフチェック

以下のチェックリストは、初期の気づきとして参考になるものです。あくまで目安ですが、2項目以上該当した場合は専門医の受診が推奨されます。

若年性認知症セルフチェック項目:

  • 予定や約束を頻繁に忘れるようになった
  • 同じ質問を何度も繰り返してしまう
  • 仕事の段取りやミスが増えた
  • 言葉がすぐに出てこなくなった
  • 人の顔や名前が思い出せないことが増えた
  • 感情の起伏が激しくなった
  • 財布やスマホなどの物をよく失くす
  • 道に迷ったり、時間や場所の感覚が混乱する
  • 睡眠の質が落ち、疲れが取れない

いっしー「パパ、これ全部ママがチェックしてたらどうする?」

パパ「……お、お互い健康診断しようね」

参考文献:

日本認知症学会「認知症疾患医療センター診療の手引き」2022年版【https://www.jsdr.or.jp/】

章末まとめ:

  • 生活の変化・忘れ物・感情変化に注意
  • 早期のセルフチェックが鍵
  • 受診のきっかけにも使える

ゆう「うーぱっ!(パパ、スマホは冷蔵庫にないよ)」

第9章:年齢別(10代〜50代)でみる若年性認知症の特徴

10代〜20代の場合:最年少は14歳の報告あり

  • 極めて稀だが報告例あり
  • 精神疾患や発達障害との鑑別が難しい
  • 家族歴がある場合は要注意

ミサ「パパ、若年性認知症って10代や20代でもなることあるの?」
パパ「ほんとに稀だけど、実際に14歳や19歳で発症した報告もあるんだ。行動の変化や物忘れが見られて、診断がついたケースもあるよ」
ママ「でもその年齢だと、精神疾患や発達障害との区別が難しいわよね…」
パパ「そう。だからこそ、家族に認知症の人がいる場合は特に注意が必要なんだ」
いっしー「ぼくの友達で、“うっかり忘れん坊”って言われてる子いるけど…」
パパ「それは“天然”か“ど忘れ”かもしれないけど(笑)、もし急に様子が変だったり気になることがあれば、医師に相談してみるのが安心だよ

👉 若年でも異変を感じたら、迷わず専門医に相談を。早期発見が大切です。

参考文献:

1. A 19-Year-Old Man With the Youngest Confirmed Case of Alzheimer Diseasehttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36565128/

この症例では、19歳男性が記憶力低下を訴え、MRIや脳脊髄液検査によりアルツハイマー型認知症と診断。

2.Frontotemporal dementia in individuals younger than 25 years: A review of 18 caseshttps://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9741737/

このレビューでは、25歳未満で発症したFTD患者18例を分析し、最年少は14歳で行動変化を示した例とされています。

30代〜40代の場合:

  • 発症の中心年代
  • 仕事や育児のストレスとの見分けがつきにくい
  • ミスや怒りっぽさで家庭・職場に影響が出ることも

ミサ「ねぇパパ、若年性認知症って、30代とか40代でもなるの?」
パパ「なるよ。実はね、仕事や育児のストレスと間違えられやすくて、診断が遅れることも多いんだ」
ママ「この前読んだわ。オーストラリアの47歳の女性が、更年期や疲れのせいだと思ってたら、実は認知症だったって。子どもと過ごすのも避けるようになってたらしいの」
いっしー「えっ…それって、いつもと違うってこと?」
パパ「うん。何かが変だなと思ったら、放っておかずに専門医に相談するのが大事なんだ」
ミサ「男の人の話もあったよね?」
パパ「そうそう。ある男性は、記憶があいまいになったり混乱したりして、“薬の副作用かな?”って思ってたけど、若年性アルツハイマーだったって」
ゆう「ばぶ~(パパも検査してね~)」

👉 日々の“ちょっと変かも”を見逃さないことが、家族みんなの安心につながります。

50代の場合:

  • 通常の認知症との境界領域
  • 病識(自分で気づく力)が低く、周囲の観察が重要

東京都健康長寿医療センター研究所の枝広あや子氏らは、若年性認知症の初期症状は次のものが多いと述べています。

もの忘れが多くなった(69.6%)

職場や家事などでミスが多くなった(43.8%)

言葉がうまく出なくなった

怒りっぽくなった

何事にもやる気がなくなった

今までにない行動・態度が出るようになった

引用:

Lancet Neurology(2022)では、若年性認知症の中央値は49歳であり、発症は30代後半から50代前半がピークであると報告されています【Demographic, clinical, biomarker, and neuropathological correlates of Alzheimer’s disease in adults with Down syndrome: a cross-sectional study】

章末まとめ:

  • 10〜20代は稀だが見逃せない
  • 30〜50代での発症が多く、生活変化として現れる
  • 年代に応じた見守りが大切

ゆう「うーばぶ!(ミサは“しっかり系”だから安心だね)」

第10章:診断方法と診断基準

若年性認知症の診断は、症状の確認だけでなく、神経学的検査・画像診断・認知機能テストなど、さまざまな視点から総合的に行われます。

ミサ「ねぇパパ、若年性認知症って、どうやって診断するの?」
パパ「いい質問だね。実は“物忘れがある”だけじゃ判断できないんだ。**問診で生活や家族歴を聞いたり、記憶や注意力を測るテスト(MMSEやMoCA)**をするんだよ」
ママ「画像も見るのよね?」
パパ「うん。MRIやCTで脳の萎縮パターンを見るよ。特に前頭葉や側頭葉に特徴が出ることが多いんだ」
いっしー「注射はあるの?」
パパ「あるよ、血液検査でビタミンやホルモンの異常がないかもチェックするし、うつや不安症との違いを調べる心理検査もするんだ」
ミサ「つまり、いろんな角度から見ないと正確な診断はできないってことね!」

👉 若年性認知症の診断には、複数の検査を組み合わせた総合的な評価が必要です。

主な診断方法:

  • 問診・診察:症状の経過、家族歴、生活状況など
  • 認知機能検査(例:MMSE、MoCA)
  • MRI・CT検査:脳萎縮のパターン確認(前頭葉・側頭葉など)
  • 血液検査:APOE遺伝子検査、甲状腺機能やビタミンB12欠乏の除外
  • 心理検査:うつ病や不安障害との鑑別

ミサ「検査って、時間もお金もかかりそうだね」

パパ「たしかに。でも、正確な診断ができれば、必要な支援や治療につながるから、すごく大事なんだ」

章末まとめ:

  • 若年性認知症の診断には多角的アプローチが必要
  • MoCAやMRI、血液検査などが重要
  • 早期診断がその後の生活設計に大きく影響

ゆう「う〜(パパ、ぼくのMRIもいる〜?)」


第11章:余命と進行速度のリアル

若年性認知症は進行が早いと言われています。特に前頭側頭型やアルツハイマー型では、診断から平均8〜10年での進行が報告されています。

平均余命:

  • アルツハイマー型:8〜12年
  • 前頭側頭型認知症:6〜8年
  • 血管性認知症:ばらつきが大きい(他疾患併存による)

ミサ(9歳):「ママ、パパの病気ってどれくらい続くの?」

ママ:「うん…“若年性認知症”はね、タイプによってちょっと違うの。たとえば“アルツハイマー型”なら、発症から8〜12年くらい。記憶が少しずつ薄れていくけど、最後は誤嚥性肺炎感染症で亡くなることが多いの」

いっしー(6歳):「それって…こわい病気なの?」

ママ:「うん、でも一緒に過ごせる時間を大事にしたいよね。“前頭側頭型認知症”っていうタイプは、ちょっと違ってて、怒りっぽさや性格の変化が先に出てくるの。進行は速くて、6〜8年で体が動かなくなっちゃうこともあるのよ」

ミサ:「血管の病気のはどう?」

ママ:「“血管性認知症”はばらつきが大きくて、脳梗塞の再発心臓病があると悪化しやすいの。余命もバラバラで、死因もさまざまなの」

いっしー:「でも、パパがんばってるよね」

ママ:「そうね。家族で支えて、毎日を笑顔で過ごそうね」

進行速度の特徴:

  • 若年発症の方が進行が速い傾向あり※
  • 家族や職場のサポートが鍵
  • 進行とともに言語・運動・感情制御に障害が及ぶ

ママ「最近、お義父さんが同じ話ばかりするって言ってたけど…年のせいかしら?」

パパ(医師)「うん、それだけならいいけど、もし若年性認知症なら、進行が早いから注意が必要なんだ」

ミサ「若年性って、若い人でもなるの?」

パパ「そう。65歳未満で発症するのが若年性認知症。アルツハイマー型でも、初期から記憶障害だけじゃなくて、言葉が出にくいとか、仕事のミスが増えるとか、多彩な症状が出るんだよ」

いっしー「じゃあ、すぐにわかるの?」

パパ「それが難しくて…。ストレスやうつ病と間違われやすいし、診断まで平均4年以上かかることもあるんだ。特に前頭側頭型は、怒りっぽくなったり無関心になったりするから、性格の問題と思われがちなんだよ」

ママ「…早く気づいて支えてあげるのが大事なのね」

パパ「うん。進行は早く、5年以内に高度な介護が必要になる人も多いという研究もある。だから、変化に気づいたら、すぐに専門医に相談するのが一番だよ」

ミサ「家族で支えるのが大切なんだね」

※若年性認知症の諸問題 https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1130060562.pdf?utm_source=chatgpt.com

章末まとめ:

  • 若年性認知症は進行が早い
  • 診断後の平均余命は6〜12年ほど
  • 早期の対応と生活支援が鍵

ゆう「う〜!(早く見つけて、ちゃんと支えようね)」

第12章:進行速度のリアル|「若さ」と「早さ」の罠

若年性認知症の進行は早い。 これは医療者の間ではよく知られた事実です。とくに前頭側頭型認知症(FTD)は、行動変容型が多く、診断後5年以内に日常生活に著しい支障を来す例が報告されています。

2022年のNature Medicine誌によれば、若年性アルツハイマー病(YOAD)は高齢発症より進行が早く、初期から実行機能障害や空間認知の障害を伴うケースが多いとされていますhttps://www.nature.com/articles/s41467-022-32592-7?utm_source=chatgpt.com


パパ(医師)「若年性認知症はね、高齢者よりも進行が速い傾向があるんだ。特に前頭葉や側頭葉に障害が出ると、行動の変化が目立ってきてね」

ミサ「若いのに進み方が速いって、不公平だよね…」

ママ「でも、そのぶん早く気づいて支えてあげるのが大切ってことね」

ゆう「ばぶ〜!(はやくきづいてー)」


章末まとめ

  • 若年性認知症は進行が速いことが多い
  • アルツハイマー型でも実行機能障害が初期から出現
  • 早期発見と周囲の気づきが生活の質を左右する

第13章:ブログに綴る現実|若年性認知症と向き合う50代の声

実際に40代で若年性認知症と診断された人が書くブログには、「日常を失う恐怖」と「今を大切にする覚悟」が綴られています。

ブログは本人の気づきの記録であると同時に、家族や支援者がその人を理解する“鏡”にもなります。最近ではスマートフォンの音声入力や画像投稿を組み合わせて、記憶の補助として使う事例もあります。


いずれのブログも若年性認知症のリアルを知ることができます。

パパ「僕もブログを書いてるけど、思い返すってとても大事なんだよ」

ミサ「書くことで、“いま”を残せるんだね」

いっしー「ぼくも日記かいてみようかな!」

ゆう「ぶぶー!(しゃしんにっきもいいよ〜)」


章末まとめ

  • ブログは本人の記録であり、支援者へのメッセージでもある
  • デジタルツールが記憶補助に役立つ
  • 書くことが自己理解と社会とのつながりを強める

第14章:コーディネーターとは?|家族をつなぐ“支援の専門家”

若年性認知症コーディネーターは、医療・福祉・就労支援など複数の機関と連携し、患者本人とその家族の“生活全体”を支える存在です。https://www.dcnet.gr.jp/about/jyakunensei_2017_03.php

厚生労働省が全国に配置を進めており、支援内容は相談、制度説明、介護サービス紹介、就労調整など多岐に渡ります。


ママ「最近“認知症コーディネーター”ってよく聞くけど…?」

パパ「そう。各自治体に配置されていて、医療や介護、就労の橋渡しをしてくれる専門家なんだ」

ミサ「まさに、冒険の案内人って感じだね!」

ゆう「ばばー(ぼくのナビもお願い〜)」


章末まとめ

  • 若年性認知症コーディネーターは支援の“窓口”
  • 医療と生活をつなぐ案内人として活躍
  • 困ったら、まず相談!が合言葉

第15章:運転免許と認知症|「自由」と「安全」の間で

若年性認知症の初期段階では、運転行動に大きな影響は見られないこともありますが、判断力や注意力の低下は突然訪れる可能性があり、事故リスクが高まります。

日本では、運転免許更新時に認知機能検査が義務付けられ、高齢者と同様に診断書提出や適性評価が求められることがあります。認知症と診断された場合、医師は運転適性に関する意見書を作成することもあります。


ママ「お義父さん、最近ちょっと運転が危なっかしいって言われてるの…」

パパ「医師として、運転を止めるのはつらい判断。でも、安全のために必要なときもあるんだ」

いっしー「パパ、ぼくが自転車教えてあげようか?」

ゆう「ぶー!(くるまよりベビーカーがすき〜)」


章末まとめ

  • 若年性認知症と運転には法的・安全的な判断が必要
  • 医師の診断や家族の話し合いが重要
  • 「乗れる」より「安全に生きる」ための支援を

第16章:若年性認知症に対応した施設|“若さ”に合った環境とは?

一般的な高齢者施設では、若年性認知症患者のニーズに合わない場合があります。たとえば、活動性が高い、趣味や就労意欲がある人にとって、「座ってテレビを見る」中心の生活は苦痛になりがちです。

現在は、若年性認知症専用のグループホームや、就労支援と併設した福祉施設などが徐々に整備されつつあります。また、一部の自治体では、40〜60代を対象としたデイケアや認知リハビリテーションを提供するモデル事業も行われています。


ミサ「“若い人のための施設”って、あるんだね」

パパ「増えてきているけど、まだまだ足りないのが現状なんだ」

ママ「その人らしい生活が送れるような環境づくりが大切ね」

ゆう「ば〜!(みんな、いっしょにうたお〜)」


章末まとめ

  • 若年性認知症向け施設はまだ少ないが拡充中
  • 年齢や生活背景に合った支援が必要
  • 地域ごとの取り組みや情報共有が鍵

第17章:コールセンターと支援窓口|「最初の相談先」としての役割

若年性認知症に関する相談は、地域包括支援センターや専門医療機関だけでなく、**電話相談窓口(コールセンター)**でも受け付けられています。若年性認知症コールセンターhttps://y-ninchisyotel.net/

厚労省の「認知症相談ダイヤル」や、自治体が運営する相談窓口では、本人・家族・支援者からの問い合わせに対応し、必要な窓口や医療機関へのつなぎ役を果たします。

ただし、電話だけでは本人の状態が把握しきれないため、対面相談や訪問支援との連携が課題です。


ママ「電話って、なんだか不安だったけど…“話すだけ”でも少し気が楽になったわ」

パパ「声を出すことで、気持ちが整理できることもあるからね」

ミサ「困ったときに“話せる場所”があるのは安心だね」

ゆう「ばばばば(ゆうにもでんわちょうだい)」


章末まとめ

  • コールセンターは初期支援の入り口として重要
  • 専門的な情報提供と窓口紹介が中心
  • 対面支援との連携が今後の課題



第18章:就労と“できる仕事”|失うのではなく「残る力」を活かす

就労支援では、「できること」に着目した業務設計がポイントです。若年性認知症の方が従事しやすい仕事は、ルーティンワーク、軽作業、対人業務の少ない作業などが挙げられます。

厚労省の報告では、若年性認知症患者の43%が何らかの形で就労継続しているとされています(令和2年度厚労省調査)。


いっしー「パパ、病気になっても働けるの?」

パパ「もちろん。工夫すれば、続けられる仕事はたくさんあるよ」

ママ「その人の得意を活かす職場が増えてきてるのよ」

ミサ「“仕事”って、“役割”でもあるよね」

ゆう「ぱ〜!(ぼくは癒し担当〜)」


章末まとめ

  • 若年性認知症でも働くことは可能
  • 得意を活かした職場環境の工夫が大切
  • 就労は社会的役割と尊厳の維持に寄与する

第19章:若年性認知症の治療ってできるの?家族でできることは?

ミサ(9歳):「パパの病気、治るお薬ってないの?」

ママ:「そうね…完治は難しいけど、“進行をゆっくりにする”お薬はあるのよ」


薬物治療:できるだけ早く、できるだけ正しく

若年性認知症に使われる薬は、高齢者の認知症と基本的には同じです。代表的なのは、以下の2つのタイプです。

  • アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジルなど)
     → アルツハイマー型認知症で記憶や集中力を助ける働きがあります。
  • NMDA受容体拮抗薬(メマンチンなど)
     → 重度の症状に使われることが多く、興奮性の神経伝達を調整する役割です。

ママ:「でもね、お薬だけじゃなくて“生活全体の支援”がすごく大切なの」


非薬物療法:生活支援が「脳のリハビリ」に

  • 作業療法(OT):日常生活動作(着替え・料理など)の訓練
  • 認知リハビリテーション:カレンダーやメモを活用し、記憶力をサポート
  • 心理的支援:患者本人や家族へのカウンセリング
  • 音楽療法やアニマルセラピー:感情の安定や自発性を引き出す手段として注目

いっしー(6歳):「パパに猫のパンダちゃんと遊んでもらえば元気になるかな?」

ミサ:「それ、いいね!あと、毎日“同じ時間に同じことをする”のも大事らしいよ」


医療機関との連携:チームで支える治療

  • 認知症専門外来では、疾患の鑑別や薬物調整が可能
  • 地域包括支援センター若年性認知症支援コーディネーターに相談すると、制度や介護サービスも紹介してくれます
  • 若年性認知症は「障害者手帳」や「特定疾病」として福祉支援の対象にもなります

家族でできること

  • 話すスピードをゆっくりにする
  • 「できたこと」を一緒に喜ぶ
  • 認知症を「その人の個性」として受け止める

ママ:「ミサ、いっしー、私たちがパパの“安心できる場所”になってあげようね」

ミサ:「うん、パパが不安にならないように、毎日同じ言葉で“おかえり”って言おうかな」


💡まとめ

若年性認知症には完治する治療はまだありませんが、**薬物療法と生活支援を組み合わせた“チームケア”**で、本人の能力を最大限に引き出すことができます。早期発見・早期支援がとても重要で、家族の理解と支えが治療の一部になることを、私たちは忘れないようにしましょう。


第20章:ブログのまとめ|“忘れない”ために、今できること

パパ(医師):「若年性認知症は、決して“特別な誰か”の病気じゃない。僕たちのような働き盛りの世代にも、静かに忍び寄ることがあるんだ」

ミサ:「初期症状って、性格が変わるとか、感情が不安定になるとか…“物忘れ”だけじゃないんだね」

ママ:「だからこそ、“あれ?”と思ったら、遠慮せず専門家に相談するのが一番よ」

いっしー:「ぼく、パパのスマホ忘れもチェックしておくね!」

ゆう:「ばぶ〜!(パパ、ちゃんとメモしてね〜)」

若年性認知症は、早く進行することもあり、支援が遅れると家族の生活にも大きな影響が及びます。でも、早く気づいて、正しく向き合えば、“できること”はたくさんある。
ブログ・映画・コーディネーター・相談窓口――社会の中にはあなたを支える場所がちゃんとあります。

大切なのは、「諦める」より「つながる」こと。家族も本人も、一緒に“今”を大切に生きていく力を持っています。
このブログが、誰かの“気づき”と“行動”につながれば幸いです。

パパ:「医師として、そして父として、“記憶を守る旅”を、家族と一緒に続けていきたいと思います」


※このブログ記事の内容は、最新の医学論文・厚生労働省資料・各種学会ガイドラインに基づいて作成しています。

参考文献一覧:

  • NEJM, JAMA, BMJ, Lancet, Nature Medicine
  • 厚生労働省「若年性認知症支援ハンドブック」
  • 日本認知症学会、Alzheimer’s Association など

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次