ずっとお腹が変…それ、IBSかも?過敏性腸症候群の原因・診断・ストレスとの関係を医師がやさしく解説!

「お腹が痛い…でも病院に行くほどでもないし、ちょっと恥ずかしい」そんなふうに悩んでいませんか?

40代女性の佐藤由美さん(仮名)は、パートや家事の合間に突如訪れる腹痛や、おならの臭い、張り感、そして何より「また?」という不安に悩まされていました。
それ、もしかすると**過敏性腸症候群(IBS)**かもしれません。

結論から言うと、IBSは「命に関わらないから大丈夫」ではなく、「QOL(生活の質)を大きく下げるからこそ早めの対策が必要な病気」なのです。

本記事では、内科・消化器・肝臓専門医の視点から、IBSの原因・症状・セルフチェック方法・危険サインの見極め方・具体的な生活改善までを、
異世界の家族キャラのストーリーとともにわかりやすく解説します。

この記事を読めば、自分の症状を客観的に把握でき、医療機関に相談すべきタイミングが見えてきます。
“もう我慢しない”あなたの第一歩を応援する内容です。

目次

過敏性腸症候群(IBS)とは?簡単にわかる基礎知識

過敏性腸症候群とは簡単にいうとどんな病気?

「おなか痛い…またトイレに行きたくなっちゃった」

ある朝、異世界〈ソラリア王国〉の王立診療所で、パパ医師が診ていたのは、突然姿を現した冒険者・ミサ。彼女は毎日、腹痛とトイレの悩みに苦しめられていた。

パパ:「これはね、**過敏性腸症候群(IBS)**かもしれないよ。腸の構造に異常があるわけじゃないのに、繰り返す腹痛や便秘・下痢が続く病気なんだ」

ミサ:「それって…見た目じゃわからないの?」

パパ:「そう。だから“機能性胃腸障害”と呼ばれているんだ。腸が過敏に反応してしまうことで、症状が出るんだよ」

IBSは、日本人の約10〜15%が悩んでいるとされる病気です。腸の働きと脳のストレス反応が関係しているため、ストレス社会に生きる現代人にとって非常に身近な病気といえます。

なお、炎症性腸疾患(IBD)や大腸がんとは異なり、内視鏡検査では異常が見つかりません。それでも症状は辛く、日常生活に大きな支障をきたすため、放置せず専門医の診断が必要です。


ガイドラインで定義されるIBSの診断基準とは

ママ:「でもそれって、どうやって“過敏”ってわかるの?他の病気とどう違うの?」

パパ:「実はね、国際的な診断基準である**ガイドライン(Rome IV)**に基づいて診断されるんだ」

ミサ:「その“Rome IV”って、なに?」

パパ:「正式には“Rome IV診断基準”って言って、IBSを診断するための世界共通のガイドラインなんだよ」

ガイドラインでは、以下のような基準が定められています:

  1. 腹痛が3ヶ月の中の1週間につき少なくとも1日以上しめる
  2. 下記の2項目以上の特徴をしめす。 
    •  排便によって改善される
    •  排便頻度の変化に関連する
    •  便の形状の変化に関連する     ※IBSのRomeⅣ診断基準

つまり、患者さんが「腹痛」と「排便の異常(便秘・下痢)」をセットで訴える場合に、IBSの可能性が高くなるのです。

このガイドラインは、米国・欧州・アジアの医療機関で広く使われており、エビデンスに基づいた診断に活用されています。


いっしー:「じゃあ、うんちが毎日変だったらIBS?」

パパ:「毎日じゃなくても、“痛み+排便の変化”が繰り返されるなら、Rome IVをもとに医師が判断するよ」

ゆう「んー…(ぷぅっ)」

パパ:「…そして、**突然ガスが出る赤ちゃんも時々いるけど、それはIBSじゃないから安心していいよ」笑

Rome IV基準は、患者が“どれだけつらいか”を可視化するためのものでもあります。症状に心当たりがある場合は、一度専門医の診断を受けましょう。

原因はひとつじゃない!過敏性腸症候群の複雑な背景

過敏性腸症候群の原因は?腸と脳の関係に注目

ある日、異世界〈ソラリア王国〉の王立診療所で、パパ医師は冒険者・ミサの診察をしていた。

ミサ:「最近、お腹の調子が悪くて…原因がわからないんです。」

パパ:「それは、過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。IBSは、腸と脳の関係が深く関与しているんですよ。」

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、約1億個の神経細胞が存在します。脳と腸は自律神経を介して密接に連携しており、これを「脳腸相関」といいます。ストレスや不安が脳に影響を与えると、その信号が腸に伝わり、腸の運動や感覚に異常をきたすことがあります。これがIBSの主な原因の一つとされています。

いっしー:「じゃあ、ストレスがたまるとお腹が痛くなるの?」

パパ:「その通り。脳と腸は互いに影響し合っているから、心の状態が腸に現れることがあるんだ。」

参考文献;臨床消化器内科 Vol。36 No5 2021 https://webview.isho.jp/journal/toc/24332488/36/5


ストレスがなぜお腹に影響を与えるのか?

ストレスは、IBSの発症や症状の悪化に大きく関与しています。

ミサ:「最近、仕事でストレスが多くて…それが原因かもしれません。」

パパ:「ストレスを感じると、脳からストレスホルモンが分泌され、それが腸の運動を過剰にしたり、逆に鈍らせたりします。これにより、下痢や便秘といった症状が現れるのです。」

また、ストレスが続くと、腸が過敏になり、少しの刺激でも痛みや不快感を感じやすくなります。これを「知覚過敏」といい、IBSの特徴的な症状の一つです。

いっしー:「じゃあ、リラックスすることが大事なんだね!」

パパ:「その通り。ストレスを上手にコントロールすることが、IBSの改善につながります。」

参考文献;臨床消化器内科 Vol。36 No5 2021


自律神経の乱れがIBSにどう関係しているのか?

自律神経は、私たちの体の様々な機能を無意識に調整しています。特に、腸の運動や分泌にも深く関与しています。

ミサ:「最近、夜更かしが続いていて…それも関係ありますか?」

パパ:「はい。生活リズムの乱れや睡眠不足は、自律神経のバランスを崩す原因になります。自律神経が乱れると、腸の動きが不安定になり、IBSの症状が悪化することがあります。」

また、自律神経のバランスが崩れると、腸の感受性が高まり、通常では感じない刺激でも痛みや不快感を感じるようになります。

いっしー:「じゃあ、早寝早起きが大事なんだね!」

パパ:「その通り。規則正しい生活を心がけることが、自律神経を整え、IBSの予防や改善につながります。」

参考文献;臨床消化器内科 Vol。36 No5 2021


あなたにも当てはまるかも?IBSの発症頻度と年齢層

過敏性腸症候群は何人に1人がなる病気?

ある日、異世界〈ソラリア王国〉の王立診療所で、パパ医師は冒険者・ミサの診察をしていた。

ミサ:「最近、お腹の調子が悪くて…原因がわからないんです。」

パパ:「それは、過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。IBSは、10万にあたり約200人といわれています。

日本人の約10〜15%が悩んでいるとされる病気です。つまり、4~5人に1人以上が抱えている計算になります。」

いっしー:「そんなに多いの?!」

パパ:「そうなんだ。IBSは、腸に明らかな異常がないのに、腹痛や便通の異常が続く状態なんだよ。」


IBSの頻度|実は男女ともに多い“お腹の不調”

ミサ:「IBSって、女性に多いイメージがあるけど、男性もなるの?」

パパ:「確かに、IBSは女性にやや多く見られますが、男性も少なくありません。特に、男性では下痢型が多く、女性では便秘型や混合型が多いとされています。」

いっしー:「じゃあ、性別に関係なく注意が必要なんだね!」

パパ:「その通り。IBSは、誰にでも起こりうる病気なんだ。」


過敏性腸症候群のタイプと似た病気に注意

あなたはどのタイプ?IBSの4分類(便秘型・下痢型・混合型・分類不能型)

ある日、異世界〈ソラリア王国〉の王立診療所で、パパ医師は冒険者・ミサの診察をしていた。

ミサ:「最近、お腹の調子が悪くて…便秘と下痢が交互に来るんです。」

パパ:「それは、過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。IBSは、症状のパターンによって4つのタイプに分類されます。」

  1. 便秘型(IBS-C):硬くてコロコロした便が多く、排便回数が少ない。
  2. 下痢型(IBS-D):水っぽい便が多く、急な便意を感じやすい。
  3. 混合型(IBS-M):便秘と下痢の両方を交互に経験する。
  4. 分類不能型(IBS-U):上記のいずれにも当てはまらない。

この分類は、治療法を選択する際の重要な指標となります。例えば、便秘型には食物繊維の摂取が効果的ですが、下痢型では控える必要があります。

日本の30000人を対象とした調査では、IBS有病率は16.5%であり、そのうち頻度はIBS-Dは4.5%、IBSーCは2.8%、IBSーMは8.2%、IBSーU1.0%でした。

いっしー:「じゃあ、自分のタイプを知ることが大事なんだね!」

パパ:「その通り。自分の症状を記録して、医師と相談することが大切です。」

参考 過敏性腸症候群(IBS)|ガイドライン一覧|日本消化器病学会ガイドライン

参考文献;臨床消化器内科 Vol。36 No5 2021



過敏性腸症候群と似た病気(大腸がん・炎症性腸疾患など)との違いとは?

ミサ:「IBSの症状って、他の病気と似ていることがありますか?」

パパ:「はい、IBSの症状は、大腸がんや炎症性腸疾患(IBD)と似ていることがあります。しかし、いくつかの違いがあります。」

  • 大腸がん:体重減少、血便、持続的な腹痛などが特徴です。IBSでは、これらの症状は一般的ではありません。
  • 炎症性腸疾患(IBD):潰瘍性大腸炎やクローン病などが含まれ、腸の炎症が見られます。IBSでは、腸に炎症や潰瘍は見られません。

これらの病気とIBSを区別するためには、血液検査、便検査、内視鏡検査などが行われます。特に、40歳以上で新たに症状が現れた場合や、家族に大腸がんの既往がある場合は、精密検査が推奨されます。

いっしー:「じゃあ、気になる症状があったら、早めに病院に行ったほうがいいんだね!」

パパ:「その通り。早期発見・早期治療が大切です。」


まとめ|過敏性腸症候群を正しく理解して、安心につなげよう

症状があるなら早めの受診が大切

パパ:「さて、ミサ。これまでいろいろ話してきたけど、一番伝えたいのは、**“我慢しすぎないこと”**なんだ。」

ミサ:「うん…。今まで、“病気じゃないかも”って思って、なかなか病院に行けなかったの」

パパ:「それ、IBSでよくあるケースなんだ。でも、症状が続く場合は“明らかな異常がないから大丈夫”じゃなく、しっかり調べるべきなんだよ。」

IBSは命に関わる病気ではないものの、生活の質(QOL)を大きく低下させます。一見すると軽い“お腹の不調”でも、診断や治療の遅れによって不安や生活障害が長引くこともあります。

さらに、似た症状を持つ大腸がんや炎症性腸疾患(IBD)などの可能性もあるため、特に中高年では精密検査が推奨されます。症状が慢性化している方や、市販薬でも改善しない方は、早めに専門医を受診しましょう。

ミサ:「…もうちょっと早く相談しておけばよかった!」

いっしー:「うん、パパに聞いて正解だったね!」


IBSと向き合う第一歩は「知ること」から

ゆう「ばぶ〜(ミサ、おなかいたいの、よくなるといいね〜)」

パパ:「ありがとう、ゆう。ほんとにそうだね。IBSと向き合うためには、まず“正しく知ること”が第一歩なんだ。」

IBSという名前は知っていても、内容を詳しく理解している人は多くありません。そして、自分の症状がIBSなのか、別の病気なのかを区別するには、情報の信頼性もとても重要です。

  • IBSの診断基準(Rome IV)
  • 腸と脳の関係(脳腸相関)
  • タイプ別の分類(便秘型・下痢型・混合型など)
  • 自律神経・ストレスとの関係
  • 他の疾患との鑑別

これらを理解することで、「怖い病気かも」という不安を減らし、安心して生活改善や治療に取り組むことができます

ママ:「知ることは、備えること。そして、迷ったときにはパパみたいな先生に相談してね!」

パパ:「もちろん。僕も皆さんの健康の味方だからね!

そのお腹の不調、もしかしてIBS?症状チェックリストで見極めよう

過敏性腸症候群の主な症状とは?(腹痛・便通異常・おならなど)

ある日、異世界「ソラリア王国」の王立診療所で、内科専門医のパパは、冒険者ミサの診察をしていました。

ミサ:「最近、お腹が痛くて、便秘と下痢を繰り返してるんです。あと、おならも多くて…。」

パパ:「それは、過敏性腸症候群(IBS)の可能性がありますね。IBSは、腹痛便通異常(便秘・下痢)おならの増加などが主な症状です。」

IBSは、腸の機能に異常があるわけではなく、腸と脳の連携がうまくいかないことで症状が現れるとされています。また、腹部膨満感残便感排便後のスッキリしない感じなども特徴的です。

いっしー:「それって、ストレスとかも関係あるの?」

パパ:「その通り。ストレスや生活習慣の乱れが症状を悪化させることがあります。だから、日々の生活を見直すことも大切ですよ。」


おならが臭い?膨満感やガスで悩むあなたへ

ある日、異世界ソラリア王国の王立診療所にて――

ミサ:「パパ、最近お腹が張ってすごく苦しいの。しかも…おならがすごく臭くて恥ずかしい…」

パパ(医師):「それは、ガス症状が主体のIBSの可能性があるね。特に女性や思春期の子どもに多く見られるタイプなんだ」

ガス型IBSは、Rome IVの国際分類では独立した病型ではないものの、日本の小児心身医学会ガイドラインでは、現実に多く見られる臨床型として言及されています【日本小児心身医学会ガイドライン 2015】。
お腹の張り(腹部膨満感)やガスによる痛みや不快感、臭いに対する強い不安が特徴で、教室や会議など静かな場所での生活支障が大きいのも特徴です。

いっしー:「それって、何を食べるかで変わるの?」

パパ:「その通り。最近注目されているのが低FODMAP(フォドマップ)食。ガスの原因になりやすい特定の糖質を控える食事法なんだ。腸内環境の見直しや発酵食品の摂取も、効果があることが多いよ」

ミサ:「よかった…ちゃんと対策があるんだね」

パパ:「もちろん。“臭い”や“張り”に悩んでいるなら、我慢せずに腸の状態を見直すことが大切なんだ」

参考;ガス型過敏性腸症候群の3例 児心身誌[JJSPP]2013,22(3):2iO-214


迷走神経反射・動悸・吐き気などの「自律神経症状」も見逃さないで

ミサは、他にも気になる症状を話しました。

ある夕暮れ、異世界ソラリア王国のパパ診療所にて──

ミサ:「ねえパパ、最近なんだか急に気持ち悪くなったりドキドキして胸が苦しくなることがあるの。これってIBSと関係あるのかな?」

パパ(医師):「うん、それは**自律神経の乱れによる“迷走神経反射”**かもしれないね。IBS(過敏性腸症候群)では、お腹の症状だけじゃなくて、動悸、吐き気、めまいなども一緒に起こることがあるんだよ。」

ミサ:「やっぱりそうなんだ…なんだかお腹のことなのに、全身がバタバタしてる感じで…」

パパ:「IBSは、“脳腸相関(のうちょうそうかん)”といって、脳と腸が密接に関係してる病気なんだ。ストレスや不安が腸に影響して、逆に腸の不調が気分や心拍にも影響を及ぼすんだよ。」

いっしー:「じゃあ、サッカーのあとに深呼吸するみたいに、リラックスするのも大事?」

パパ:「その通り!**呼吸法や睡眠、軽い運動、そして“自分のストレスパターンを知ること”**が、IBSの改善につながる第一歩なんだ。」

ミサ:「なんだかちょっと安心した。じゃあ今夜は、ゆっくりお風呂入って、深呼吸して寝ることにするね!」

パパ:「それがいいね。“心”と“腸”をいたわることが、IBSとの上手なつきあい方なんだよ。」す。」


IBSチェックリスト・重症度スコアでセルフチェック!

パパ:「ミサ、症状の程度を把握するために、**IBS重症度スコア(IBS-SSS)**を使ってみましょう。」

重症度とIBSの診断:

IBSの診断は、上記のような症状と、その他症状の頻度や持続時間、生活への影響などを考慮して総合的に判断されます。重症度が高いIBSは、生活の質を著しく低下させることがあります。

重症度が高いIBSの兆候:

  • 症状が慢性的に持続し、日常生活に支障が出ている場合
  • 腹痛が激しく、排便直後も改善しない場合
  • 血便、発熱、激しい下痢などの異常な症状が出ている場合
  • 大腸がんや潰瘍性大腸炎などの器質的疾患を疑う症状が出ている場合

IBS-SSSは、腹痛の頻度や強さ、腹部膨満感、生活への影響などを点数化し、IBSの重症度を評価するツールです。これにより、治療の効果を客観的に判断することができます。

ミサ:「なるほど、自分の状態を知ることが大切なんですね。」

パパ:「その通り。症状を記録し、医師と共有することで、より適切な治療が可能になります。


IBSの症状で見逃してはいけない「危険サイン」

過敏性腸症候群と血便・下血の違い|注意すべきポイント

ある日、異世界「ソラリア王国」の王立診療所で、内科専門医のパパは、冒険者ミサの診察をしていました。

ある日の朝、パパがコーヒーを淹れていると、ミサが心配そうに話しかけてきました。

ミサ:「パパ…最近、うんちに赤い血が混じってるの。IBSでもこういうことってあるの?」

パパ(表情を引き締めながら):「それは心配だね。過敏性腸症候群(IBS)では、血便や下血は基本的に出ないんだ。だから、それは別の病気のサインかもしれない。」

いっしー:「じゃあ、何か悪いことが起きてるってこと?」

パパ:「そうとも限らないよ。たとえば、便が硬くてお尻が切れて(裂肛)血が出たり、痔になったりすることもあるんだ。便に鮮やかな赤い血がついてるなら、直腸や肛門の出血が多いね。でも、黒っぽくてタールみたいな便だったら、胃や小腸からの出血かも。これはちょっと注意が必要。」

ミサ:「それって…怖い病気の可能性もあるってこと?」

パパ:「うん、たとえば潰瘍性大腸炎やクローン病みたいな炎症性腸疾患(IBD)、あるいは大腸がんなども含まれるから、早めに病院で調べるのが大事なんだ。」

ゆう:「ばぶぅ……(なぜかこのタイミングで泣き出すFXセンサー赤ちゃん)」

いっしー:「ゆうが泣いたってことは、やっぱり大事なサインだね!」

パパ:「まさにその通り(笑)。IBSだと思い込まずに、血便があるときは必ず医師に相談する。これが、自分の身体を守る第一歩なんだよ。」Cleveland Clinic+1Healthgrades+1


発熱・体重減少・細い便が続くときは要注意

ある日のリビングで、ミサが心配そうに話し出しました。

ミサ:「ねえパパ、最近ずっと微熱があって…。それに、なんだか体重が減ってきてるし、便も細くなってる気がするの。」

パパ(真剣な表情で):「うん、それは見過ごしてはいけないサインだよ。実はね、過敏性腸症候群(IBS)では、発熱や体重減少、細い便は一般的じゃないんだ。」

いっしー:「えっ、それってIBSじゃないの?」

パパ:「そう思いたくなるけど、その3つがそろってるときは、別の病気の可能性も考えなきゃいけない。たとえば、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)、あるいは大腸がんのような病気が隠れていることもあるんだ。」

ミサ:「便が細くなるって、どういうこと?」

パパ:「それは、腸の中が狭くなってる可能性があるってこと。たとえば、ポリープや腫瘍などで、便が通る道が細くなると、鉛筆みたいな形になることがあるんだ。」

いっしー:「じゃあ、早く病院に行ったほうがいいんだね!」

パパ:「その通り。IBSだと思い込まずに、変わった症状があったらすぐに医師に相談することが大事なんだ。早期発見が、未来の自分を守る一番の近道だからね。」


胃痛・下腹部痛・膨満感が長引く場合の対処法

ある日、ミサがソファに座りながらつぶやきました。

ミサ:「なんか最近ずっとお腹が痛いし、張っててつらいの…。全然よくならないんだよね。」

パパ(心配そうに):「そうか、それはつらいね。IBS(過敏性腸症候群)でも腹痛やお腹の張り(膨満感)はよくある症状だけど、ずっと続いているとなると、他の病気の可能性も考えたほうがいいかもしれないね。」

いっしー:「他の病気って、どんなのがあるの?」

パパ:「たとえば、炎症性腸疾患(IBD)や胃腸の感染症、場合によっては消化器系のがんなんかも考慮しなきゃいけない。もちろん、すべてがそうじゃないけど、長引く症状には注意が必要なんだ。」

ミサ:「じゃあ、どうしたらいいの?」

パパ:「まずは、食事や生活習慣を見直してみよう。脂っこいものや甘いものを控えて、腸に優しい食事を心がける。それでも改善しなければ、早めに消化器内科を受診して、必要な検査を受けることが大切だよ。」

いっしー:「やっぱり、ほったらかしにしない方がいいんだね!」

パパ:「その通り。“いつもと違う”と感じたら、それが体からのサインかもしれない。早めに気づいてあげることが、自分の健康を守る一歩になるんだよ。」


「ごはんが食べられない」はIBSだけじゃない可能性も

ある日の夕食時。ミサはお皿を見つめたまま、箸を動かそうとしません。

ミサ:「最近ね、なんだか食欲がなくて…。ごはんが食べられないの。」

パパ(やさしく微笑みながら):「それはちょっと心配だね。IBS(過敏性腸症候群)でも、食欲が落ちることはあるけど、消化器の病気や感染症、精神的なストレスが原因になっている場合もあるんだ。」

いっしー:「ストレスでごはん食べられなくなるの?ぼく、おやつは食べられるけどな〜。」

パパ:「そうだね、ストレスや不安が原因で、胃腸の働きが乱れることはよくあるんだよ。でも、食欲不振が何日も続いたり、体重が減ってきたりする場合は、ちゃんと病院で診てもらうことが大事なんだ。」

ミサ:「じゃあ、少し様子を見て、それでも食べられなかったら病院に行くね。」

パパ:「うん、それがいいね。体の変化に早く気づいて、無理せず相談することが、元気になる近道だよ。」


IBSの症状別ケアと生活改善のヒント

腹痛・残便感があるときの生活の工夫とは?

ある日、異世界「ソラリア王国」の王立診療所で、内科専門医のパパは、冒険者ミサの診察をしていました。

ミサ:「最近、お腹が痛くて、便秘と下痢を繰り返してるんです。あと、排便後もスッキリしなくて…。」

パパ:「それは、過敏性腸症候群(IBS)の可能性がありますね。IBSでは、腹痛残便感が主な症状です。」

IBSの症状を軽減するためには、以下の生活習慣の見直しが効果的です:

  • 規則正しい食生活:食事の時間を一定に保ち、バランスの良い食事を心がけましょう。
  • 適度な運動:ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない運動を取り入れることで、腸の動きが活発になります。
  • ストレス管理:リラクゼーション法や趣味の時間を持つことで、心身の緊張を和らげましょう。

いっしー:「じゃあ、毎日サッカーをしてる僕は大丈夫かな?」

パパ:「うん、適度な運動は腸の健康にも良い影響を与えるよ。」


おなら・膨満感を減らす食事と腸活のすすめ

夕食後、ミサが少し困った顔をしながら話し出しました。

ミサ:「最近、お腹が張って苦しいし…おならの臭いも自分で気になるの…。」

パパ:「うーん、それは**ガス型IBS(過敏性腸症候群)**かもしれないね。おならの回数が増えたり、においが強くなったり、お腹の張りがつらくなるのが特徴なんだよ。」

ママ:「ガス型IBSって、女性に多いって聞いたことあるわ。ミサ、大丈夫?」

パパ:「大丈夫。食事や腸活で改善できることも多いからね。たとえば――」

  • 低FODMAP食を試す:小麦やにんにく、豆類など、ガスを発生しやすい食材を控える食事法。
  • 発酵食品を取り入れる:ヨーグルトや納豆、味噌などは腸内環境を整える効果がある。
  • 食事日記をつける:何を食べたときに症状が出たか記録すると、トリガーとなる食材がわかってくるよ。

いっしー:「僕、納豆大好き!いっぱい食べてるよ!」

パパ(笑いながら):「それはいいことだね。納豆は腸の善玉菌を増やすから、ガス型IBSの予防や改善に役立つんだ。」

ミサ:「じゃあ、まずは食事から見直してみるね。」

パパ:「そうだね。自分の体に合った食事を見つけることが、腸の快適さに直結するんだよ。」よう。」


ストレス・迷走神経反射・動悸への対応策(睡眠・運動・呼吸法)

夕飯の後、ミサが神妙な顔で切り出しました。

ミサ:「最近ね、学校の発表会とか、緊張すると急にお腹が痛くなったり、ドキドキして息苦しくなるの…。」

パパ:「それは自律神経の乱れが関係しているかもしれないね。IBSの人は、ストレスや緊張で腸や心臓が過敏に反応することがあるんだよ。」

ママ:「私も学生のころ、試験前になるとお腹が痛くなったことがあったわ。ミサも頑張ってる証拠よ。」

パパ:「そうだね。でも大丈夫、自律神経のバランスを整える方法はいくつかあるよ。たとえば――」

  • 十分な睡眠:毎日同じ時間に寝起きすることで、体内リズムが整ってくるよ。
  • 軽い運動:ウォーキングやヨガは、リラックス効果が高くて、腸にも心にもやさしい運動なんだ。
  • 呼吸法:深呼吸や腹式呼吸を意識すると、心拍数が落ち着いて、体全体がリラックスするよ。

いっしー:「じゃあ僕も、寝る前に“すーはー”って深呼吸してみようかな!」

パパ:「いいね!リラックスして寝ることができれば、朝の目覚めもスッキリするし、お腹の調子も安定してくるかもしれないよ。」

ミサ:「ちょっとだけ安心したかも。明日からやってみる!」よ。」


まとめ|IBSと正しく向き合うために

症状の経過を記録することが、早期診断と安心につながる

王立診療所の静かな診察室で、ミサがカバンから1冊のノートを取り出しました。中には、びっしりと書き込まれた日々の記録。

ミサ:「ここに、“お腹が痛くなった日”とか、“便が固かった日”とか、“トイレに急いだ日”とか、全部メモしてあるの。」

パパ(王立診療所の医師):「おぉ、すばらしいねミサ。それがまさに、IBSと向き合う第一歩なんだよ。こうした記録は、症状の“見える化”につながるんだ。」

ミサ:「記録してると、“あ、この食べ物の後はいつもお腹が張るな”とか、“ストレスがある日は決まって下痢になるな”って、少しずつわかってくるんだよね。」

パパ:「その通り。IBSは検査だけでは診断がつかないことが多いから、患者さんの記録がとても大切なんだ。特に**IBS-SSS(過敏性腸症候群・重症度スコア)**などと一緒に見ると、症状の変化がよくわかるよ。」

ママ:「1〜2週間だけでも、“食事・睡眠・排便・ストレス”をメモしておくと、悪化する要因が見つけやすくなるわよ。」

パパ:「そして、医師に相談する時に“いつから・どんな症状が・どんな状況で”と説明できると、より正確な診断と治療につながるんだ。」

いっしー:「ミサすごいな〜。ぼくも、お腹痛いとき“いっしーノート”つけてみよっかな!」


「放置しないこと」が未来の自分を守るカギ

ママ:「ミサ、もし早くパパに相談してなかったら、まだ不安なままだったかもね」

ミサ:「うん…。我慢しすぎずに相談できてよかった」

パパ:「その気づきが大事なんだよ。IBSは“命にかかわらない”と言われがちだけど、放置すればQOL(生活の質)が著しく下がる病気なんだ」

朝の通勤中、子どもの送迎中、会議中、旅行中…急にお腹が痛くなってトイレに駆け込む。そのたびに「またか…」と不安になる。その負のスパイラルを断ち切るために必要なのは、「放置せず、相談する勇気」です。

また、腹痛・おなら・便秘や下痢だけでなく、血便・発熱・体重減少などを伴う場合はIBSではなく別の重大疾患の可能性もあるため、必ず医師の診断が必要です。

ゆう(赤ちゃん):「ん〜ばぶ〜!(はやく気づけて、よかったね〜)」

パパ:「ありがとう、ゆう。“今、受診する”ことが、未来のあなたを守る第一歩になるんだ」

まとめ


ミサ:「まさか、私のおならやお腹の痛みが“病気”かもしれないなんて…」
パパ(医師):「そう。IBSは軽く見られがちだけど、放っておくと毎日の生活が本当につらくなる病気なんだよ」

本記事では、過敏性腸症候群(IBS)の**特徴(腹痛・便通異常・ガス型など)から、診断法(Rome IV)、危険サイン(血便・体重減少)、そして生活改善の具体策(低FODMAP食、ストレスケア)**まで、医師の視点でわかりやすく解説しました。

IBSは見た目にわかりにくく、人に相談しにくい症状ばかりですが、**「知ること」「記録すること」「放置しないこと」**で、症状の悪化を防げます。

「もしかして私も?」と思ったら、まずは症状をメモすることから始めてください
あなたの不調には、きちんと向き合うべき“理由”があるかもしれません。

【Q】過敏性腸症候群(IBS)は若い人だけの病気ですか?

【A】いいえ。IBSは40〜50代の中高年でもよく見られます。

実際に、40代が最も有病率が高いという報告もあり、50代以降でもストレスや生活習慣の影響によって発症することがあります。
「若い人の病気」と思い込まず、年齢に関係なく、腹痛や便通異常が続く場合はIBSの可能性を考慮することが大切です。


【Q】高齢者でもIBSになりますか?

【A】はい。60代以降でもIBSを発症することがあります。

ただし、高齢者のIBSは大腸がんや炎症性腸疾患など、他の重篤な疾患と症状が似ているため見落とされやすい傾向にあります。
特に、血便・体重減少・発熱などを伴う場合は要注意です。早めの受診と専門的な鑑別診断が推奨されます。

【Q】便秘と下痢が交互にくるのですが、これは過敏性腸症候群(IBS)ですか?

【A】その症状は「混合型IBS(IBS-M)」の可能性があります。

混合型IBSは、便秘と下痢を交互に繰り返すタイプの過敏性腸症候群で、腹痛・膨満感・ガスの多さ・便意の急な変化などを伴うのが特徴です。
症状の予測が難しく、日常生活に支障をきたしやすいため、自己判断ではなく医師による診断と管理が重要です。

まずは、症状・食事・生活リズムを記録してトリガーを明確にし、専門医に相談しましょう。食事療法や薬物治療、ストレス管理など、総合的な対処が必要です。

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