脂肪肝対策にコーヒー習慣を！医学論文で分かった抗酸化・抗炎症の力とは

2025年5月15日

「コーヒーで肝臓を守る？それって本当？」
そんな疑問を持つ方にこそ知ってほしい、最新の医学研究があります。脂肪肝、正式には非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）は、糖尿病や肥満と密接に関わる現代病。じわじわと進行し、放置すれば肝硬変や肝がんへと進展することも。

実はそんな脂肪肝に対し、「毎日のコーヒー習慣」が予防・改善の鍵になる可能性が、数々の国際的な論文で示され始めています。
本記事では、肝臓内科専門医である筆者が、家族との日常や異世界の冒険を交えながら、「コーヒーがなぜ肝臓に良いのか？」を科学的に、そして楽しく解説します。

育児中のパパ・ママ、働き盛りの中高年の皆さん、一緒にコーヒーの力を知ってみませんか？

キャラクター紹介：異世界の住人たち

パパ（46歳）：内科・肝臓専門医。投資とランニングが趣味。脂肪肝あり。スマホでチャートばかり見てママに怒られる。
ママ（37歳）：元理学療法士。ウォーキングとテニスが日課。子育てと健康管理のプロ。
ミサ（9歳）：冷静なツッコミ役の小学生。ピアノとスイーツが大好き。
いっしー（6歳）：元気な小学1年生。サッカーとテニスが大好き。
ゆう（0歳）：FXが暴落すると泣き出す天才赤ちゃん。家族の癒やし。
パンダ（黒猫）：パパにだけ不機嫌。気まぐれでツンデレ。

肝臓と脂肪の関係｜脂肪性肝疾患ってどうして怖いの？

脂肪性肝疾患（MASLD）とは？

脂肪性肝疾患（MASLD：代謝機能障害関連脂肪性肝疾患）とは、肝臓に脂肪が過剰に蓄積された状態を指し、アルコールが原因でない脂肪肝のことです。これまでNAFLDと呼ばれていた疾患群が、より正確な病態を反映する名称としてMASLDに再定義されました。さらに、炎症や線維化を伴う進行形はMASH（非アルコール性脂肪性肝炎）と呼ばれます。進行すると肝硬変や肝がんに至るリスクがあるため、早期発見と生活習慣の見直しが極めて重要です。

脂肪肝に効く!? コーヒーの抗酸化・抗炎症作用とは

医学論文が示す「コーヒーの力」

世近年、世界中の研究者が注目しているのが「コーヒーの抗酸化・抗炎症作用」です。中でも、オーストラリア国立大学（ANU）のShaohua Chenらが発表した2014年のレビュー論文は、大きな反響を呼びました。この論文は、『Journal of Gastroenterology and Hepatology』に掲載された信頼性の高い医学レビューであり、コーヒーの摂取が脂肪性肝疾患（MASLD）の進行を抑える可能性を示唆しています

特に注目すべきは、コーヒーに含まれるポリフェノール、クロロゲン酸、メラノイジンといった成分です。これらが体内の酸化ストレスや炎症反応を抑える働きを持つことが、複数の研究で示されています。抗酸化作用によって肝細胞のダメージを減らし、抗炎症作用により線維化の進行を防ぐ可能性があるのです。このように、日常的なコーヒーの摂取が、MASLDの予防・進行抑制に役立つことが、科学的に裏付けられつつあります。